子ども・子育て支援金とは? 制度の概要やDX・BPOの活用などわかりやすく解説

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2025年に改正された法律に基づく「子ども・子育て支援金」の最新動向と運用課題、BPO(外部委託)の活用方法など、子ども・子育て支援金に関する自治体職員さま向けのお役立ち情報をご紹介します。 また、DX(RPA・AI・オンライン申請)を活用した業務の効率化や人材不足への対応についてもわかりやすく解説します。

目次

【制度解説】子ども・子育て支援金とは 

子ども・子育て支援金は、少子化対策や子育て支援策をおこなうための財源の一つです。 未来の日本社会を担う人材を育成することから、子育て世帯だけではなく、独身の方や子育てを終えた世代も含む、全世代が恩恵を受けるという考えに基づいていることが、大きな特長です。

制度改正の目的と背景

日本の少子化は危機的状況にあります。子ども・子育て支援金制度は、この少子化を食い止めるために、社会全体で子育て世帯を応援していくための「財源確保」と「全世代的な支援体制の確立」を目的として創設されました。

支援金制度の仕組みと対象範囲

年間3.6兆円規模の財源確保が必要となり、その大半は歳出改革や既存予算で確保されますが、約1兆円は、全世代の国民が負担することになります。
対象となるのは、高齢者や企業を含むすべての医療保険加入者で、医療保険料に上乗せする形で徴収されます。

最新の制度改正・負担額見込み

制度改正によって集められた支援金は、主に児童手当に充当されます。児童手当の変更点は以下になります。
●支給世帯の所得制限の撤廃
●支給対象年齢の延長(18歳到達後の最初の3月31日まで)
●第3子以降の支給額増額     など

制度が本格的に実施される2028年の1人当たりの負担額は「450円程度/月」になる見込みです。
●被用者保険(会社員・公務員)の場合
徴収方法:勤務先の健康保険料に上乗せ
負担額基準の見込み:加入者一人当たり500円

●国民健康保険(個人事業主)の場合
徴収方法:国民健康保険料に上乗せ
負担額基準の見込み:加入者一人当たり400円

●後期高齢者医療制度(75歳以上の高齢者)の場合
徴収方法:後期高齢者医療制度の保険料に上乗せ
負担額基準の見込み:350円

子ども・子育て支援金の運用で自治体が抱える課題

新たな子ども・子育て支援金制度の導入と、支援金を財源とする少子化対策の加速化プランを実行するにあたり、自治体側が抱える課題について見ていきましょう。

事務処理の煩雑化による一時的な業務増大

支援金の徴収と支援金の運用の両面において、特に導入時には自治体側が大きな負担を抱えることになります。

●負担増が懸念される主な支援金の徴収業務
・国民健康保険料の計算ロジックの変更への対応
・賦課・徴収通知書の変更への対応
・国保の賦課システムの改修
・職員への新制度インプット
・住民への周知
・住民からの問い合わせ対応    など

●負担増が懸念される主な支援金の運用業務
・児童手当システムの改修
・各種証明書の様式変更への対応
・新たな支給対象者への対応
・職員への新制度インプット
・住民への周知
・住民からの問い合わせ対応    など

人材不足・繁閑変動への対応難

専門人材の確保と業務ピークの集中についても大きな課題となることが予想されますので、業務のBPO(外部委託)や臨時職員の雇用についても検討の必要性が出てきます。

●人材不足
システムの改修と運用をおこなうためには、高度なITスキルを持った人材が不可欠になります。
また、複雑な制度を理解し、確実に業務を遂行するためには、職員の研修や教育にも力を入れる必要があります。

●繁閑変動
システムの切り替えやデータ更新が必要な年度末や年度初めに業務が急激に増えることになります。これにより職員の疲弊やストレス過多が懸念されると同時に、ほかの行政サービスへの影響が出る恐れもあります。

職員単位の応対品質のバラつきやナレッジの共有難

改正内容が多岐にわたり、複雑な業務となるため、職員ごとの制度の理解度に差異が生じる可能性が大きくなります。
また、制度自体が複雑なため、住民からの問い合わせの件数が増加して問い合わせ内容も高度になることが予想されるため、応対できる職員が限られたり、応対に時間がかかることで、住民の不満を生むことも考えられます。

DXの活用による業務効率化と品質向上

複雑な業務を正確かつ迅速に遂行するためのカギは「デジタル化」にあります。 また、人材不足解消には「BPO(外部委託)」も賢い選択肢となります。

オンライン申請と入力補助の導入効果

オンライン申請を導入することで、自治体と住民、双方の負担が軽減されます

●自治体のメリット
・事務処理の効率化
・処理スピードのアップによる人件費削減
・誤入力や審査ミスの削減

●住民のメリット
・いつでもどこでも申請ができる、利便性の向上
・審査状況などをオンラインで確認できる透明性

AI・RPA・ワークフロー自動化で定型処理を削減

単純な繰り返し作業や第一段階の審査などは、AIやRPAを活用して自動化することで職員の稼働を大幅に削減することができます。見逃しなどのミスへの懸念が払しょくできるのも利点です。
また単純作業に職員の稼働が取られなくなったことから、本来時間をかけるべき稼働に職員が集中できるようになるなど、作業の効率だけでなく全体品質の向上にも繋がります。

RPAの導入で大幅な業務効率化を実現した事例をチェック!

VOC(お客さまの声)解析・AIによる改善サイクル支援

コンタクトセンター(お問い合わせ窓口)に寄せられる住民の声を解析して、そこから改善サイクルを導くフェーズでは、AIが力を発揮します。

①データ処理・精緻化
通話記録、メール、アンケート、SNS、チャットボットの履歴などを、分析可能なデータに変換。

②分析
膨大な量のデータの中から、住民が抱える「真の課題(インサイト)」を抽出。

③改善サイクル
インサイトに基づいた改善サイクルの施策立案を支援。

人材不足にはBPO(外部委託)で対応

人材不足という課題は、BPOで解決可能です。
人材の確保、専門人材の育成、業務品質の管理までをワンストップで委託することで、自治体職員の負担は大幅に軽減されます。

BPO(外部委託)を活用した運用改善

大幅で複雑な制度改正に対応するため、BPOを活用して、スムーズで品質の高い業務遂行をかなえませんか?

委託可能な業務領域とトレンド

外部委託が可能な業務は、バックオフィス業務、顧客関連業務、情報処理業務など多岐にわたります。 代表的なものとしては、コンタクトセンター(お問い合わせ窓口)のBPOが挙げられますが、昨今では、AIやRPAなどのデジタル技術を活用し、業務プロセスの最適化や高度化までを委託する「デジタルBPO」が多くなっています。

BPO導入による3つのメリット

BPOを導入することによる自治体のメリットには、次のようなものがあります。

●運用戦略上のメリット
・煩雑で時間を要する業務を委託することで、職員が従来のコア業務に注力できる
・専門的な知見により、コンプライアンスリスクを軽減できる

●コストと効率性のメリット
人件費と人材育成費の削減が可能
・高度なノウハウや専門のツール活用で業務スピードをアップできる

●業務品質上のメリット
・最新のデジタル技術の導入によりDX化を推進できる
・豊富な経験とノウハウに基づいた運用で業務品質を向上できる

委託時に確認すべきポイント

基本的なチェックポイントとしては、委託先企業が持つ技術やノウハウ、コスト、委託範囲などがありますが、一般企業と自治体では体制や業務ステップ、あるべき姿が大きく異なるため、「自治体での豊富な受託事例」は重要なポイントになります。

また、サイバー攻撃が横行する昨今では「高度なセキュリティ能力」も外せないポイントとなります。

NTTネクシアの支援ソリューション

NTTネクシアが保有する支援ソリューションの中から、子ども・子育て支援金制度改定に関連する業務にご活用いただけるソリューションをご紹介します。

次世代型コンタクトセンターで問い合わせなどの1次対応をカバー

顧客接点をデジタル化するための各種ソリューションをラインナップ。コンタクトセンター(コールセンター)エージェンシーとしてさまざまなサービスを提供しています。

次世代型コンタクトセンター

AI音声応答サービス(ボイスボット)

チャット・チャットボット

VOC解析で問い合わせの多い内容をFAQ化

日々コンタクトセンター(コールセンター)に入るお客さまの声をもとにFAQを構築します。また、FAQサイトに訪問されたお客さまの閲覧状況を分析し、コンテンツの改善をおこなうことで「お客さまとの対話を通じたFAQ」を実現します。

FAQマネジメント

RPAにより事務処理を補助

RPAは、Robotic Process Automationの略。ソフトウエアロボットを活用することで、業務効率化を目指します。人がWindowsPC上で行う操作を記憶・作成し人の手を解さずに自動処理を行うソフトウェアロボットです。

データエントリーソリューション

まとめ:子ども・子育て支援金業務の「いま」と「未来」

子ども・子育て支援金制度は大幅な改正により、それを取り仕切る自治体の業務は複雑になり、いままで以上に負担が大きくなります。
支援金業務はもちろん、その他の業務や行政サービスもつつがなく遂行するための解決策として「DX化」や「BPO(外部委託)」は有効な手段です

段階的に導入される新制度を見据えて、地域住民や職員の未来を守るためにも、いま、策を講じる必要がありそうです。

実務課題の相談先としてのNTTネクシア

NTTネクシアは多様化するニーズに寄り添い、高品質なコンタクトセンターソリューションやバックヤード業務の受託で、多くの自治体さまを支援しています。

DXによる業務効率化や品質向上を実現するアウトソーシングサービスを自治体さまが抱える課題にあわせてご提供していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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