カスタマージャーニーマップの作り方7ステップ!メリットや注意点も解説

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商品やサービスを展開していく際に、顧客の購買行動を知ることは非常に重要です。カスタマージャーニーマップは顧客心理や購買行動を理解するのに有効で、多くの企業で作成されています。しかし、どんなメリットがあるのかや具体的な作り方が分からないという方もいるでしょう。

そこで今回は、カスタマージャーニーの概念や重要視されている理由について解説します。また、作成する手順や注意点についても紹介しますので、カスタマージャーニーマップの導入を検討している方はぜひ最後までお読みください。

目次

カスタマージャーニーとは?重要視されている理由も解説

マーケティングの成果を改善するためには、顧客をより深く知ることが重要です。カスタマージャーニーの把握は最適な顧客体験の提供を可能にすることから、企業活動において重要視されています。まずは、カスタマージャーニーの概念と重要視されている理由を詳しく見ていきましょう。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、商品・サービスを知った時点から購入・利用に至るまでのプロセスを「旅」に例えたものです。また、カスタマージャーニーは購入・利用までにとどまらず、再購入や継続利用などその後の体験まで含まれます。

顧客の体験を一連の流れで可視化したものがカスタマージャーニーマップです。マップを作成することで、どのような「行動」「思考」「感情」で購入・利用したのかを時系列で捉えられます

重要視されている理由

インターネットの普及とともに、顧客と商品をつなぐ接点は多様化しています。そのような現代社会において収益を向上させるためには、顧客をより深く理解することが重要です。企業側が発信するCMや広告だけでなく、比較サイトやSNSへの投稿などを通して顧客は商品・サービスに触れる機会が増えています。

もちろん売上向上に貢献するケースもありますが、ネガティブな口コミが広がった場合は損失を招く可能性もあります。そのため、あらゆる接点において最適な顧客体験を提供することが大切です。そこで、顧客の理解を深められる「カスタマージャーニー」が注目されています。

商品やサービスの購入・利用に至るまでのプロセスを細かく知り、適切なマネジメントをおこなうためにはカスタマージャーニーマップでの顧客行動の可視化が有効です。

カスタマージャーニーマップを作成するメリット3選

カスタマージャーニーマップの作成には時間と労力がかかりますが、多くの企業で取り入れられています。その理由は、企業と顧客の接点が多様化する現代社会において、顧客心理や購買行動を可視化できるカスタマージャーニーマップは大きなメリットを得られるからです。ここでは、3つのメリットについて解説しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

顧客心理・購買行動の理解

インターネットやスマートフォンの普及により、顧客の購買行動は多様化し購入・利用に至るまでのプロセスが複雑化しています。アンケートやWebサイトの行動ログなどで情報を得ることはできますが、顧客が辿るプロセスの全体像を把握することはできません。

そこでカスタマージャーニーマップを作成し顧客行動を可視化することで、商品やサービスの購入・利用に至るまでの心理や購買行動を理解できます。カスタマージャーニーマップを作る際は顧客視点で行動や思考を整理するため、顧客心理や購買行動を理解できるようになります。その結果、あらゆるタッチポイントにおいてニーズに寄り添ったマーケティングが可能です。

優先順位の明確化

売上向上やリピート率アップなど、企業収益を高めるためには最適な顧客体験を提供することが欠かせません。そのためすべてのタッチポイントを強化し、あらゆるフェーズで顧客のニーズに沿ったアプローチをしたいと考える企業は多いでしょう。

そこで、カスタマージャーニーマップの作成が役立ちます。カスタマージャーニーマップは、あらゆるフェーズにおける課題や問題が可視化できます。理想はすべての課題を解決することが望ましいですが、金銭的コストと人員確保を考えると簡単ではありません。

そのため、自社で設定したゴールに対して「影響の大きい課題は何か」を知ることが大切です。カスタマージャーニーマップで可視化された課題について、すべての関係者で議論することで優先すべきことを判断しやすくなります

関係者同士の認識の共有

顧客ニーズに寄り添った商品開発やサービス改善のためには、社内外を問わず円滑なコミュニケーションが欠かせません。カスタマージャーニーマップでゴールまでの全体像を共有することで、各部署・部門が同じ目的を持って施策に取り組めます。

カスタマージャーニーマップを作成して関係者同士の認識のずれをなくすことで、施策の精度と効率を高められます。役割が異なる部署同士が顧客に対して共通認識を持つことができれば、正確で迅速な意思決定が可能です。また、部署間の連携もスムーズに取ることができるため、一貫性のあるサービスを提供できます。

カスタマージャーニーマップ作りの7つのステップ

カスタマージャーニーマップの作成は、以下の7つのステップで進めていきます。

  1. ゴールを決める
  2. ペルソナの設定
  3. フェーズ(段階)の設定
  4. タッチポイントの設定
  5. 顧客行動の整理
  6. 顧客の感情や思考の整理
  7. マッピングの実施

各ステップの目的やポイントを詳しく解説しますので、カスタマージャーニーマップを作る際の参考にしてみてください。

ゴールを決める

ゴールを明確化することで、カスタマージャーニーの「範囲」が適切になります。たとえば「リピート購入率アップ」がゴールであれば「商品を探す段階から再購入まで」と範囲を明確に設定できます。なお、ゴールは契約数や売上金額の目標などではなく、リピート購入率アップやECサイトの来店者数増加などマーケティング領域で設定することが大切です。

ペルソナの設定

ペルソナとは、商品を購入して欲しい顧客の特徴を具体的に表した仮想人物のことです。ペルソナを設定することで、ユーザーがどのような思考で購入に至るかがわかります

ペルソナを設定する際は、年齢や性別だけでなく職業・趣味など細かく想定することが重要です。既存顧客のリサーチやWebサイトの閲覧履歴などの情報を分析すれば、より細かく具体的な人物像を設定できるでしょう。

フェーズ(段階)の設定

フェーズとは、顧客がゴールに到達するまでの「段階」を指します。フェーズの基本は「認知」「興味・関心」「比較検討」「行動」の4段階です。基本は4つに分けられますが、目的や事業内容にあわせて項目を設定します。フェーズを設定することで、顧客がゴールに到達するまでにどのような状態であるかを把握できます。

タッチポイントの設定

タッチポイントとは、企業が顧客に何らかの影響を与える接点です。顧客とのタッチポイントを明確にすることで、行動や感情を理解しやすくなります。主にタッチポイントは、オンラインとオフラインの2つに分けられます。

オンラインのタッチポイントは以下のとおりです。

  • Web広告
  • ECサイト
  • SNS

一方で、オフラインのタッチポイントには以下のようなものがあります。

  • チラシ
  • 実店舗
  • セミナー

上記以外にも、タッチポイントはたくさんあるため、ペルソナに有効な接点を見つけることが重要です。また、各フェーズにおけるタッチポイントを整理することで、企業が注力していることと顧客が求めていることが一致しているか見えやすくなります。

顧客行動の整理

実際に顧客がとる行動を洗い出し、時系列に整理します。顧客行動を整理する際に重要なのは「顧客視点になること」です。考えられるすべての顧客行動を洗い出すことが大切ですが、企業側の先入観や願望を混ぜてはいけません。

そのためには、実在する顧客にアンケートやヒアリングを実施し、事実をもとに洗い出した行動を整理していくと良いでしょう。顧客行動を整理し理解することで、各フェーズにおいて最適なアプローチを検討できます

顧客の感情や思考の整理

各フェーズにおける顧客の感情や思考を整理することで、適切な課題解決や施策の検討に役立ちます。感情や思考を整理する際も、行動整理と同様「顧客視点」を持つことが重要です。実際に顧客が抱く感情は、ポジティブなものだけとは限りません。商品やサービスを客観的に見て、ポジティブ・ネガティブ両方の感情や思考を含めましょう。

マッピングの実施

洗い出した顧客の行動や感情などを、仮説とズレがないか検証しながらマップに反映させます。顧客視点でマッピングをおこなえるように、できるだけ多くの関係者で意見を出し合って埋めていくと良いでしょう。また、課題に対してのアプローチを検討するために、ステップごとのKPIを設定しておくのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点

カスタマージャーニーマップを作成する際は、以下の3つの点に注意しましょう。

  • 顧客視点を忘れない
  • シンプルに作成する
  • 定期的に更新する

作成には時間と労力がかかるので、効果的なマップになるようしっかり意識して作ることが重要です。

顧客視点を忘れない

カスタマージャーニーマップを作成する際は、顧客視点になることが重要です。自分だったらどうするかではなく、あくまでもペルソナがどのような思考になり行動するかを考えましょう
企業側の憶測や希望を交えて作成すると、カスタマージャーニーマップの精度が落ちてしまいます。ユーザーへのアンケート調査や既存顧客のリサーチなどをおこない、客観的な視点を取り入れて作成しましょう。

シンプルに作成する

マップを作り込みすぎると、顧客の行動が変わったときなど柔軟に対応できなくなるため、シンプルに作成しましょう。特に慣れないうちは、シンプルでブレのないマップを作ることを意識することが大切です。

Web上には緻密に作成されたカスタマージャーニーマップの事例がありますが、最初から同じように作りこむのは難しいです。初めから完璧をめざすのではなく、効果検証を繰り返しながら精度を上げていきましょう。

定期的に更新する

カスタマージャーニーマップは、作成して終わりではありません。1度作ったマップがいつまでも通用するわけではないため、定期的に見直し更新し続けることが大切です。特に変化の激しい現代社会では、顧客の購買行動も著しく変化します。

常に現状の課題を正確に把握するためには、効果検証をおこないマップを磨き上げていく必要があります。効果検証を繰り返しおこない改善策を実行するまでを習慣化することで、マーケティングツールとしての効果を最大化できるでしょう。

まとめ

カスタマージャーニーマップを作ることで、あらゆるタッチポイントの最適化が可能です。リピーターを獲得するうえでコールセンターにおける顧客体験価値の向上は非常に重要です。特に、企業と顧客が直接つながるコールセンターは、顧客満足度の向上や収益アップに大きく影響するため強化したい企業は多いでしょう。

「NTTネクシア」では、タッチポイントを最適化する問い合わせ対応ツールを提供しています。顧客の自己解決率を向上する「FAQマネジメント」は、閲覧状況を分析し顧客の声を反映させたFAQを設定できます。

そのほかにも、さまざまなデジタル技術を活用したコミュニケーションツールにより、変化していく顧客行動に対して最適な運営リソースの提供が可能です。タッチポイントの最適化を検討している企業さまは、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。

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