ペルソナとはマーケティングを最大化する手段!ターゲットとの違いや3つのメリットを解説
マーケティングを行う際に「ペルソナ」や「ターゲット」という言葉を耳にします。両者は同じような使われ方をしますが、実際は考え方や目的に大きな違いがあります。一方で「違いをよく理解できていない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ペルソナとターゲットの違いやマーケティングにおける効果など、企業にとってのメリットも含めて詳しく解説します。自社のマーケティング施策に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ペルソナとは?ターゲットとの違いも解説
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する顧客像を指します。似たような言葉に「ターゲット」がありますが、考え方や役割が異なります。それぞれの違いについて説明しますので、しっかりと確認しておきましょう。
ペルソナとは
マーケティングの世界におけるペルソナとは「架空の顧客像」という意味を持ちます。架空の顧客を「具体的な人物像」がイメージできるレベルまで設定したものがペルソナです。古典劇で使われている「仮面」を意味する言葉に由来しています。
ペルソナを設定する際は、売りたい商品や提供したいサービスのターゲット層に、家族構成や趣味・嗜好など具体的なイメージを落とし込み、1人の人物を作り上げることがポイントです。具体的な人物像を作り出すことで顧客のニーズを深堀りでき、商品開発や販売促進の際に「顧客視点」のマーケティングが行えます。
ターゲットとの違い
ビジネスの世界では、想定顧客を意味する「ターゲット」もよく使われますが、ペルソナとは役割や考え方が異なります。ターゲットは、商品やサービスを提供する「集団」を指します。一方、ペルソナで設定するのは、より詳細に人物像をイメージできる「個人」です。
どちらも訴求対象ではありますが、より具体的な人物像を想定できるのがペルソナです。ペルソナは、年齢や性別だけでなく生活スタイルや心理的な面まで想像するため、より商品設計や販売計画の策定に役立ちます。
ペルソナを設定する3つの目的
ビジネス戦略の成功において、ペルソナ設定は重要な役割を果たします。主な目的は、以下の3つです。
- イメージの共有
- 訴求力の強化
- 顧客視点の戦略立案
商品開発やプロモーションなどを行う際に、ペルソナを設定する目的や重要性について見ていきましょう。
イメージの共有
1つの商品ができあがるまでには、さまざまな部署の従業員が関わります。しかし、従業員全員が同じ発想・考え方とは限りません。そこで、同じ人物像をリアルに描く「ペルソナ」が重要な役割を果たします。
ペルソナを設定することで商品を購入する顧客を具体的にイメージでき、価値観の異なるメンバーでも同じ方向性で業務を行えます。企業規模が大きくなるほど関わる人数が増えるため、すべての従業員が同じ目標・目的を持てるペルソナ設定が必要です。
市場調査からアフターフォローまで、一貫したイメージの共有がプロジェクト成功のカギとなるでしょう。
訴求力の強化
商品やサービスを売り出す際は「多くの方に使ってもらいたい」「利用してもらいたい」と思うのが当然です。しかし、ターゲット層を広げるとコンセプトが曖昧になりやすく、誰に向けた商品か分からなくなる可能性があります。
大勢の顧客より、1人の顧客のニーズを徹底的に追求した方が、コンセプトが明確になり訴求力の高い商品ができます。さらに、ペルソナを設定して商品のコンセプトや魅力を存分に伝えられれば、提供したい顧客層に響きやすくなるでしょう。顧客ニーズの細分化や多様化が進む現代では、より具体的な人物像がイメージできるペルソナ設定が重要です。
顧客視点の戦略立案
顧客体験価値が重要視される現代のマーケティングでは、企業より「お客様目線」での施策が求められています。顧客の真のニーズを理解しないことには、機能が優れた商品であっても魅力を感じてもらえません。
例えば、便利な機能がある電子レンジでも「顧客にとってのメリット」がイメージできなければ欲しいと思わないでしょう。しかし、毎日時間に追われる子育て中の方が「スイッチを押すだけで10分でパスタやシチューを作れる電子レンジがある」と聞けば一気に興味が沸きます。
さらに、子どもが喜ぶメニューが載ったレシピが付いていれば購買意欲をそそるでしょう。このように、顧客の行動パターンや生活スタイルなどを調査し、さらには最適な時間帯・方法で宣伝活動を行うことが重要です。ペルソナ設定は商品開発やサービス改善だけでなく、マーケティングすべてにおいて重要な役割を果たすと考えられています。
ペルソナの設定は顧客接点の最適化に繋がる
あらゆる顧客接点において徹底的なペルソナ設定を行うことで、自社が商品を届けたいと思う人物に魅力が伝わります。ペルソナ設定では、生活スタイルや職業など詳細な情報が盛り込まれるため、顧客の行動パターンが明確になり、宣伝する媒体や時間帯など効果的な手段がわかります。
ペルソナ設定が有効な、主な顧客接点は以下のとおりです。
- Webサイト、ECサイト
- SNSやブログ
- 広告(Web広告・CM・チラシ・看板など)
- DMやメールマガジン
- 対面接客
- イベント
- コールセンター
紹介した以外にも、多くの顧客接点が存在します。インターネットが普及し顧客接点が複雑化している現代では、よりペルソナ設定の重要性が注目されています。ペルソナを設定することで、それぞれの顧客接点において最適なアプローチが可能です。
コールセンターでペルソナを設定するメリット3選
商品自体での差別化が難しくなっている現代において、コールセンターは単なる問い合わせ業務ではなく企業の利益に繋がる重要な部門として捉えられています。企業競争が激しくなる中、顧客と直接関われるコールセンターでペルソナを設定するメリットを紹介します。
CX向上
商品やサービスのコモディティ化が進む現代において、コールセンターのCX(顧客体験価値)向上は欠かせない要素となっています。顧客が抱える問題を解決するのはもちろんのこと、コールセンターでの体験が価値あるものだと感じてもらえるかが重要です。
アウトバウンド業務におけるペルソナ設定は、効果的な架電営業に繋がり売上に貢献するでしょう。インバウンド業務においても、顧客のニーズや問題点の把握に役立ちます。よくある問い合わせや電話をかけてくる顧客の傾向を想定しておくことで、スムーズで最適な顧客対応によるCX向上が期待できます。
オペレーター教育への活用
トークスクリプトを使ってトレーニングを行う際にペルソナを設定することで、より実践に近いやり取りが可能です。実際の現場を想定したトレーニングを繰り返すことで、自信を持って落ち着いた顧客対応ができるでしょう。
また、トレーニングはトークを正しく言えることがゴールではありません。なぜなら、コールセンターへ問い合わせる方は、商品やサービスに不満を持っている場合が多いからです。問題を解決する際に迅速な対応はもちろんですが、顧客の悩みに対する「共感」も重要なポイントです。
ペルソナを設定し、顧客の困りごとに感情移入できるトレーニングをすることで、よりCXを意識した顧客対応ができるようになります。また、アウトバウンド業務においては商品やサービスの魅力を伝えやすくなり、新規顧客やリピーター獲得に貢献できるでしょう。
社内全体の最適化
顧客の信頼獲得やCX向上には、一貫したサービスの提供が欠かせません。企業規模が大きくなるほど社内全体を統一するのは難しく、マーケティングの方向性にずれを生じさせます。しかし、コールセンターにペルソナを設定することで、企業方針と顧客の反応とのギャップをいち早く察知できるでしょう。
特に、コールセンターは日々「お客様の声」が集まるため、ペルソナとのずれを発見しやすく顧客のニーズの把握に最適です。また、部署間の連携を強化しコールセンターに寄せられる情報を共有することで、社内全体の最適化が可能です。そうすることで、より高い訴求力を持った商品やサービスを展開できるようになるでしょう。
ペルソナを効果的に運用するための3ステップ
精度の低いペルソナは、十分な効果を得られない場合があります。ここでは、ペルソナを効果的に運用するための3つの手順を紹介するので、自社のマーケティングに活用する際の参考にしてみてください。
情報収集
まずは、ペルソナ設定に必要な情報を集めます。主な情報収集先には、以下のようなものがあります。
- 顧客情報
- アンケートなどの調査結果
- コールセンターや問い合わせフォームなどへの問い合わせ履歴
- SNSの投稿
- Q&Aサイトに投稿された質問や回答履歴
自社にある顧客情報や市場調査など定量的なデータと、コールセンターやSNSへの投稿など数値化できない定性データの両方を集めましょう。実在する人物のデータを可能な限り収集し、より具体的な人物像を作ることが重要です。アンケートなどの調査結果は重要なデータとなりますが、古い情報は信頼に欠けるため新しい結果を参考にしましょう。
また、コールセンターは販売戦略立案時のペルソナ作成のために重要なチャネルとなります。購買プロセスに関する重要なデータを得られるため、ペルソナを設定する際の情報元として積極的に活用できます。
ペルソナ像の構築
収集したデータから共通する項目を洗い出し、ペルソナの骨組みを作ります。共通項を洗い出す際は、より具体的な人物像になるよう特徴的なデータを探し出すことが大切です。ただし、細かい情報を盛り込んだ方が良いとはいえ、マーケティングとかけ離れた情報まで入れる必要はありません。あくまでも、商品やサービスに関連する情報を入れることを意識しましょう。
また、ペルソナ像を構築していく際に重要なのは、必ず実在するデータを元に人物像を作り上げることです。具体的にするために肉付けをしていきますが、その際も抽出したデータから派生して考えられることを追加します。実在する人物かのようにするために、写真やイラストなどビジュアルを設定するのもおすすめです。
運用と改善
ペルソナを活用したマーケティングを行う際に、1度作成した人物像を使い続けるのは危険です。ペルソナと実際の顧客にずれがあっては、効果的なマーケティングが行えません。顧客のニーズや取り巻く環境は日々変化していくため、運用しながら改善していく必要があります。最初に設定したペルソナにこだわらず、常に磨き上げていくことが大事です。
ペルソナを修正する際は、過去に使用したデータではなく、新たに行ったアンケート調査やSNSの投稿などから得られる最新情報を利用しましょう。そうすることで、時代の変化や顧客のニーズに合ったマーケティングが実現できます。
ペルソナを活用して効果的なマーケティング施策を実現しよう
マーケティング施策を最大化させるために欠かせないペルソナは、設定することが目的ではなく活用することが重要です。また、顧客のニーズや環境の変化に合わせて、ペルソナも更新し続けなければなりません。そのためには、より多くのデータからペルソナ設定に必要な情報を集める必要があります。
そこで、コールセンターが販売戦略立案時のペルソナ作成のために重要なチャネルになるとして注目されています。「NTTネクシア」ではあらゆるデジタルコミュニケーションツールを活用し、顧客の抱える問題を解決します。
さらに、問い合わせ内容をデータ化しマーケティング施策に活用することが可能です。マーケティングに活かせるコールセンター運営を実現したい方は、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。
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