お客さま相談センターは必要? 業務内容やメリット・デメリットを最新のトレンドを交えて解説

  • #顧客満足(CS)・顧客体験(CX)の向上

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お客さま相談センターは、企業が提供するサービスや製品、発信する事柄に対してのお客さまからのご意見、お問い合わせを電話やメール、チャットボットなどで受ける総合窓口としての役割のほか、VOC(お客さまの声)を活用し、サービスや製品についてフィードバックするなど、さまざまな役割があります。この記事では、その役割や重要性、外部委託することでの機能向上などについてご説明します。

目次

お客さま相談センターとは?

お客さま相談センターはその名の通り、お客さま(顧客)が製品やサービスへの問い合わせや相談をする企業の窓口で、お客さま相談室やサポートセンター、サポートデスク、コールセンターという名称であることもあります。

相談内容は多岐にわたりますが、主なものとしては以下のようなものがあります。

●製品やサービスの機能・仕様・操作方法に関するお問い合わせ
●制度や手続き方法、配送などに関するお問い合わせ
●ご意見やご要望、ご提案
●苦情・クレーム・ご不満

中でも「苦情・クレーム・ご不満」については、コミュニケーター(オペレーター)の高い応対品質が求められ、その対応次第で企業のイメージを左右することになります。

お客さま相談センターの業務内容と役割


ご要望やご意見、クレームに対する顧客応対はもちろんですが、顧客と接することによる「CX(顧客体験価値)の向上」もお客さま相談センターの大きな役割になります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

【役割1】ご要望やご意見などの問い合わせへの対応

どんな内容であっても顧客に共感しながらの傾聴が基本となります。 また、製品やサービスに対する深い理解からの正確で迅速な回答も必須となります。

【役割2】苦情・クレームへの対応

苦情やクレームは一見企業にとって喜ばしくないものですが、逆を言えば「顧客ロイヤリティを高めるチャンス」と捉えて対応することが大切です。 的確な判断によるSV(スーパーバイザー)へのエスカレーションを含め、丁寧かつ正確でスピーディーな対応が求められます。

【役割3】CXの向上

顧客への適切な対応でCXを向上することこそが、お客さま相談センターの最も重要な役割といえます。
コミュニケーターによる高品質な対応はもちろんですが、DX時代においては、AIやチャットボットを活用しながら、総合的にCXの向上を図ることがトレンドとなっています。

 お客さま相談センターを設置するメリットとは?

お客さま相談センターを設置することで企業は多くのメリットを得られます。
特に大きなメリットとして以下の6つが挙げられます。

・顧客満足度の向上
・カスタマーハラスメント対策
・大きなトラブルの事前察知
・社員のモチベーションアップ
・VOC(お客さまの声)を事業にフィードバックできる
・BCP(事業継続計画)対策への貢献

その内容について詳しく見てみましょう。

【メリット1】顧客満足度の向上


お客さま相談センターは、顧客との重要なタッチポイントとなり、適切な顧客応対をおこなうことで、満足度の向上や、企業またはブランドのファンづくりに貢献します。専門部署の設置により、満足度低下の大きな要因となる、お問い合わせに対する部署間のたらい回しも防止できます。

【メリット2】カスタマーハラスメント対策

専門のコミュニケーター(オペレーター)が顧客応対をおこなうことで、カスタマーハラスメントによる不当な要求を阻止することができます。
また、ハラスメントに屈しない姿勢を示すことで、社員のモチベーションアップにもつながります。

【メリット3】大きなトラブルの事前察知

センターに寄せられる顧客の声の中に潜む「小さなサイン」を見逃さず、定量的・定性的に分析することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

【メリット4】社員のモチベーションアップ

顧客対応を担う専門部署の設置により、販売やサービスを担当する社員が、本来の業務に注力できるようになります。業務環境が改善され、効率性と生産性が向上するので、モチベーションアップにもつながります。
特に販売やサービスの現場では日々の成果が可視化されにくいことも多い中、お客さま相談センターを通じて反応が届くことにより、「お客さまの役に立っていること」を実感。モチベーションの向上に大きく貢献します。

【メリット5】VOC(お客さまの声)を事業にフィードバックできる

VOCを分析した結果は、事業をアップデートするうえで不可欠なものとなります。VOCの活用例には以下のようなものがあります。
製品やサービスの改善、新商品開発、マーケティング戦略の最適化
センターのオペレーション最適化(ノウハウ・ナレッジ整備)による品質向上

NTTネクシアのVOC分析サービス

VOC分析サービスの特徴や活用法

【メリット6】BCP(事業継続計画)対策への貢献

企業のBCP対策としてもお客さま相談センターは機能します。
コミュニケーターが自宅でも顧客応対ができる「在宅オペレーション」や、センターの複数拠点化をすることで、災害やウイルス蔓延といった有事の際にも、お問い合わせに応じることができるようになり、企業の信頼や安心感の向上につながります。

導入事例:有事に備えたBCP対策として第二のコンタクトセンターを設置。二拠点化したことによるメリットとは?

お客さま相談センターを設置するデメリットとは? 

自社でお客さま相談センターを立ち上げる場合には、豊富な経験とノウハウがものを言うコンタクトセンター(コールセンター)事業をイチから自分たちでつくり上げなければいけない、ということがネックになります。
自社でのセンター立ち上げのデメリットの中でも
・コスト的な負担が大きい
・人材確保・人材育成の難しさ
・コミュニケーター(オペレーター)のストレス対策
について詳しく見てみましょう。

【デメリット1】コスト的な負担が大きい

お客さま相談センターを立ち上げる際には、システムや環境構築に関わる多くのコストがかかります。 立ち上げ時のイニシャルコストの主なものとして以下が挙げられます。

●CRMシステム
●PBX(電話システム)
●ネットワーク構築
●音声解析ツール
●人材採用
●物件・スペース費用
●オペレーション・育成プログラム構築
●AI・チャットボットなどのDX導入      など
これらに加え、人件費・システムメンテナンス・光熱費などのランニングコストもかかることになります。

また、サイバー攻撃などによる個人情報の漏えいが頻発する昨今においては、企業の信頼性担保のためにもセキュリティ対策が重要となりますが、セキュアな環境構築とメンテナンス、バージョンアップには、最先端の専門知識とコスト、それを運用する専門家の稼働を要します。

【デメリット2】人材確保・人材育成の難しさ

少子高齢化による労働人口の減少と求められるスキルの高さから、コンタクトセンター(コールセンター)業界は深刻な人材不足となっています。
クレーム対応への疲弊や業務の煩雑さから離職率も高くなっていますので、十分な知識とスキルを身につけるための適切な育成プログラムや研修を確立することが求められます。

【デメリット3】コミュニケーター(オペレーター)のストレス対策

離職や人材不足に直結するコミュニケーターのストレス対策も大きな課題となります。 ストレス対策として講じられる手段としては次のようなものがあります。

●質の高い育成プログラムによる、ストレスに強い人材育成
●コミュニケーターの負担を考慮したオペレーションづくり
●AIやチャットボットなどのチャネルを活用した負担軽減

質の高いお客さま相談センターを構築するために大切なこととは? 

では、顧客満足度の高いお客さま相談センターを構築するにはどのようなことが大切なのでしょうか? そのポイントを解説します。

スピーディーな対応

応答率を左右するスピードについては、コミュニケーター(オペレーター)個人のスキルに依存するのではなく、体系的に取組むことが大切です。
人による温かみのある応対をメインにしながらも、自動音声対応やチャットボット、生成AIなどのDXを活用しながらスピーディーな対応をめざします。

ナレッジの共有とマニュアル化

顧客応対の成功事例、失敗事例などをセンター内で共有してコミュニケーターのスキルアップを図るとともに、蓄積したナレッジをオペレーションやマニュアルに反映します。
ナレッジの蓄積と共有により、コミュニケーターごとの応対品質のバラつきを解消することで、常に均一な品質を保つことができます。

コミュニケーターの質の向上

応対品質を向上させるには、ノウハウを集約して育成プログラムや研修制度を整備し、それを常にアップデートすることが大切です。秀逸な育成プログラムにより、新人育成のスピードアップにもつながります。


ナレッジの共有やマニュアル化、研修精度による人材育成をしっかりと構築し、コミュニケーターとしてお客さまに寄り添う応対をおこなうことで相談をされたお客さまに「機械的・事務的な対応をされた」というマイナスな印象を持たれにくくなります。 DXによるシステムの高度化とコミュニケーターによる親身な応対で、質の高い顧客対応体制が構築されます。

モチベーションを維持する組織運営

クレームによるストレスのリスクも抱えるコミュニケーターのモチベーションを維持するための環境整備も重要な要素です。 SV(スーパーバイザー)へのエスカレーションなどの十分なフォロー体制や、在宅勤務という選択肢などによる、働きやすい環境を構築するのがポイントになります。
また、目標や達成率などを全員で共有し、センター全体で同じ目標に向かう協力体制をつくることも有効です。

アウトソーシングによる運営

ノウハウの不足、コスト、人材確保などがハードルとなる場合は、専門の運営会社に外部委託するのがおすすめです。
多くの経験と専門のノウハウを持つ会社を選んで委託すれば、イニシャルコストを抑えてスムーズにお客さま相談センターを設置することができます。
委託先が運営するセンター内に共用センターを構築するなど、選択肢も増えるので、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

「NTTネクシア」のお客さま相談センター委託運営事例

NTTネクシアが受託し運営するお客さま相談センターでの事例をご紹介します。

■ポイント1
・VOC(お客さまの声)を活用した年間70件以上の改善提案を実施
・内29件が施策として実施されCS(顧客満足度)やCX(顧客体験価値)の向上に貢献

■ポイント2
・コロナ禍の教訓を生かしてシステム基盤の抜本的な見直しを実施
・コミュニケーターが自宅で問い合わせ応対をおこなえる在宅オペレーションを確立

VOCを活用した提案力で、対応力、効率性、企業全体のCXまで向上

■ポイント3
・コミュニケーター(オペレーター)の知識やノウハウを可視化し、育成マニュアルや回答ツールを体系化
・新人コミュニケーターが早期に戦力になる環境づくりで、将来性のあるセンター運用を構築

DX施策の導入により業務効率とお客さま満足度をアップ

まとめ

お客さま相談センターはCX(顧客体験価値)を左右する重要な部署です。センターを設置することで多くのメリットがある一方、自社で設置するとなると課題も多くなります。


豊富なセンター運営実績がある「NTTネクシア」では、センターの委託運営や運営に関わるさまざまなサービスを提供しています。CXと企業価値を向上させるお客さま相談センターの設置をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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