バックオフィスとは?業務内容から課題、具体的な効率化の方法まで徹底解説

バックオフィスは、企業や組織における業務の中心であるコア業務を支える重要な役割を果たしています。多くの企業では、バックオフィス業務が独自の課題を抱えていることが多いです。
本コラムでは、バックオフィス業務の課題解決のヒントを解説していきます。
目次
バックオフィスとは?
バックオフィスとは、主に企業や組織の内部業務を担当し、顧客に直接関与しない部門や機能を指します。まずはバックオフィスの役割と重要性について解説します。
バックオフィスの役割と重要性
バックオフィスの役割は、企業の円滑な運営を支えることです。具体的には、経理や人事、総務といった業務を通じて、日常的な管理業務やサポートを行っています。
また、データ管理や分析、報告書の作成を通じて、経営判断を下すための情報を提供するのも重要な役割です。これにより、企業は戦略的な意思決定を迅速かつ的確に行うことができます。
バックオフィスの機能が十分に発揮されれば、業務の効率化や社内コミュニケーションの活性化が進み、生産性の向上やコスト削減にもつながります。したがって、バックオフィスは企業の競争力強化に欠かせない存在といえるでしょう。
バックオフィスの主要な業務内容

バックオフィスの主要な業務内容は多岐に渡りますが、一般的には以下のような役割があります
- 総務・人事
- 経理・財務
- 情報システム管理
これらの業務は互いに連携し合い、企業の基盤を形成しています。したがって、バックオフィス業務の充実は、全体の業務効率化に不可欠です。それぞれ詳しく解説します。
総務・人事
バックオフィスの中でも特に重要な役割を担うのが総務・人事業務です。総務と人事は、企業の「モノ」と「ヒト」を管理する中核的な部門です。
総務は、企業の運営に関わるさまざまな業務を総合的に管理する部門であり、社内の環境や設備の整備、契約の管理、さらには社内行事の企画など広範な業務を行っています。
一方、人事は企業の「人」に関わる業務を担当します。新人の採用から研修、評価、そして離職率の改善まで、多岐にわたります。
- 総務:オフィスの備品管理や施設維持、契約書管理、社内規程の整備、株主総会や社内イベントの運営など、企業活動を円滑に進めるためのあらゆる業務を担当します。
- 人事:採用、人材育成、労務管理、給与計算、人事評価制度の運用など、従業員が安心して働き、成長できる環境を整えます。企業の最も重要な資源である「人材」の価値を最大化する役割を担います。
経理・財務
経理・財務は、企業の運営において非常に重要なバックオフィス業務の一部です。この業務は、会社の資金の流れを正確に把握し、健全な財務状態を維持するために必要不可欠です。
- 経理:日々の入出金管理、伝票作成、請求・支払い業務、決算書の作成など、会社のお金の流れを正確に記録・管理します。
- 財務:経理が作成したデータをもとに、資金調達や資産運用、予算管理といった、未来に向けた財務戦略を立案・実行します。
また、経理・財務業務は法規制に準拠することも重要です。適切な会計基準や税法の遵守がなければ、企業は信頼を失い、さらには法的なリスクを抱えることになります。このため、専門的な知識を持つスタッフの確保や適切なツールの導入が求められます。
経理業務を効率化する手法としては、経理ソフトウェアの導入や業務プロセスの見直しがあります。これにより、手作業のミスを減らし、データの可視化を進めることが可能です。これらの施策を講じることで、より戦略的な財務管理が実現できるでしょう。
情報システム管理
現代の企業活動に不可欠な「情報」と「ITインフラ」を管理するのが情報システム部門です。情報システム管理は、バックオフィス業務の中でも特に重要な役割を果たしています。企業全体の情報を統括し、データの整備や保護を行うことで、業務が円滑に進むための基盤を提供します。
主な業務内容としては、システムの導入や運用、保守管理が挙げられます。適切なITインフラを構築することにより、業務の効率化やデータの正確な管理が実現します。また、セキュリティ対策も欠かせません。特に個人情報や機密情報を扱う場合、不正アクセス、ウイルス、マルウェアなど、さまざまな脅威から情報システムを守るための対策を講じる必要があります。
さらに、社内の各部門とのコミュニケーションも重要です。業務に必要な情報をいち早く共有し、各部署のニーズに応じたシステムを提供することで、全体の業務効率が向上します。もはや情報システム管理は、バックオフィス業務を支えるための不可欠な要素となっていると言えるでしょう
バックオフィスが直面する課題

バックオフィスが直面する一般的な課題には、以下の4点が挙げられます。
- 業務の属人化
- 非効率な手作業
- ノンコア業務による圧迫
- 人材確保と育成の困難
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務の属人化
バックオフィス業務における「業務の属人化」は、特定の担当者が特定の業務を行うことに依存してしまい、その担当者が不在になることで業務が滞ってしまう現象を指します。これは企業や組織が抱える大きな課題の一つです。
例えば、重要なデータの更新や報告書の作成を特定の社員が行っている場合、その社員の休暇や退職により業務が混乱する可能性があります。
さらに、属人化が進むと、業務は非効率になりやすくなります。担当者固有のノウハウや手順が共有されていないため、他の社員が同じ業務を行うには多くの時間とコストがかかります。その結果、全体の生産性が低下し、企業に悪影響を及ぼすこともあります。
このような属人化を防ぐには、業務フローの可視化や手順書の作成が重要です。誰でも業務を遂行できる体制を整えることで、企業全体の業務継続性が向上します。
非効率な手作業
バックオフィス業務における「手作業」は、日々の業務に大きな支障をきたします。特に、データ入力や書類の整理、承認フローなど、手動で行う作業は時間と手間がかかるうえ、人的ミスを引き起こすリスクも伴います。 例えば、紙の書類管理ではファイルの紛失や情報漏洩が起こりやすく、必要な情報の検索にも手間がかかり、業務の遅延につながります。 こうしたリスクがあり非効率な手作業を放置すると、生産性の低下だけでなく、他部門への影響やコア業務への支障を招き、企業の成長を阻む要因となります。そのため、業務の効率化にはデジタル化や自動化の導入が急務です。
ノンコア業務による圧迫
バックオフィスでのノンコア業務とは、企業や組織の主力事業とは直接関係のない業務のことを指します。これが肥大化すると時間やリソースが奪われ、コア業務に十分な対応ができなくなります。
また、多くのノンコア業務は業務プロセスの改善や見直しが実施さず、業務全体の効率性を低下させています。たとえば、書類作成やデータ管理に追われることで、戦略的な業務が後回しになるケースも少なくありません。
これを改善するためには、ノンコア業務を見直し、必要に応じたアウトソーシングの活用が効果的です。専門業者への委託によりリソースの最適化を図り、コア業務に集中できる環境を整えることが可能です。ノンコア業務の圧迫を軽減することは、全体の業務効率化に向けた重要な第一歩となります。
人材確保と育成の困難
バックオフィスにおいて、人材の確保と育成は大きな課題の一つです。限られたリソースの中で多様な業務を担当する人材を見つけることが難しく、経験やスキルを持った人材が不足しがちです。
また、多くの企業では研修制度が十分に整っておらず、既存社員が新たなスキルを習得する機会が限られるため、業務効率化が進みにくい状況に陥っています。さらに、バックオフィス業務は目立ちにくいため、若手人材からの関心が薄く、人材の確保が難航する傾向があります。その結果、業務遂行に支障が出ることも少なくありません。
こうした人材確保や育成の課題を、自社リソースだけで解決するのは容易ではありません。このような状況下でこそ、専門性の高い業務をアウトソーシングし、即戦力を確保することが課題解決の近道となります。
NTTネクシアでは、経験豊富な専門スタッフが安定的かつ効率的なバックオフィス運用で業務を支えます。
バックオフィス業務効率化のメリット
バックオフィス業務の効率化は、企業にさまざまなメリットをもたらします。主なメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- コスト削減
- 業務の品質向上
- リスク管理とデータ保護
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コスト軽減
バックオフィス業務の効率化は、直接的なコスト軽減につながります。業務の無駄を見直し、プロセスを最適化することで、運営コストの抑制が可能になります。
例えば、手作業で行っていた業務を自動化することにより、人件費を大幅に削減できます。また、業務の標準化やマニュアル化が進むと、新たな人材を育成するコストも軽減されるでしょう。このように、効率的な運用により、リソースをより有効に活用できる環境が整います。
さらに、アウトソーシングを活用することでもコスト軽減が実現します。専門的な業務を外部に委託することで、自社内の負担が軽減され、固定費の削減につながります。
業務の品質向上
バックオフィス業務の効率化は、業務の品質向上にも大きく貢献します。まず、業務プロセスの明確化と標準化により、作業の一貫性が高まり、ミスや漏れの発生を防ぎます。
さらに、業務の可視化が進むことで、問題点や改善点を迅速に把握できるようになります。担当者は、日常業務の中で生じる課題を早期に発見し、改善策を講じることが可能になります。このような取り組みが積み重なることで、業務の品質は向上し、企業全体の生産性も高まります。
あわせて、効率化をめざす中で新しい技術やシステムを導入することで、業務の自動化が進むと同時に、最新の技術に基づく効果的な業務運営が実現します。結果として、顧客満足度の向上につながります。
リスク管理とデータ保護
バックオフィス業務の効率化の推進は、リスク管理とデータ保護にも効果を発揮します。データの可視化や一元管理が実現されると、リスクを早期に察知しやすくなります。
また、業務プロセスのデジタル化が進むことで、従来の手作業によるヒューマンエラーが減少します。データの正確性が向上し、情報漏洩や不正アクセスのリスクも軽減されます。これにより、企業の信用にもつながり、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。
さらに、適切なデータ保護体制の整備は、個人情報保護法などの法令遵守にもつながります。システムの見直しや運用方法の改善により、安心してビジネスを進めることができる環境が整います。
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バックオフィス業務の効率化手段

バックオフィス業務の効率化には、以下の4つの手段があります。それぞれの手段について詳しく解説します。
- 業務の可視化
- 業務の標準化とマニュアル化
- アウトソーシング
- デジタル化とDX推進
業務の可視化
業務の可視化は、業務の流れや各プロセスを明確にすることができます。これにより、担当者は自らの業務内容を把握しやすくなり無駄な作業や時間を省くことが可能となるため、バックオフィス業務効率化に欠かせないステップです。
まず、業務フロー図やタスク一覧の作成が効果的です。それぞれの業務がどのように連携し、どのような流れで進行しているのかを視覚的に示すことが、業務の理解を深める助けとなります。また、業務のボトルネックの特定にも役立ちます。
さらに、業務の進捗を定期的に見直すことで、改善点を見つけやすくなります。定期的な振り返りを行うことで、業務効率を向上させるための新たな施策を導入するきっかけにもなるでしょう。こうした取り組みにより、業務の質と効率を継続的に高めることが可能になります。
業務の標準化とマニュアル化
業務の標準化とマニュアル化は、バックオフィスの効率化において重要な取り組みです。業務が属人化すると、特定の担当者だけが持っているノウハウや進め方に依存してしまいます。その結果、他のスタッフが業務を引き継ぐ際に困難を感じることが少なくありません。
業務の流れや手順を明確にし、誰が行っても同じ結果が得られるようにすることで、業務の効率が大幅に向上します。また、マニュアル化はこの標準化を実現するための具体的な手段です。業務フローや役割分担を文書化し、全員がアクセスできる状態にすることで、引き継ぎや新規スタッフの教育がスムーズになります。
さらに、標準化された業務手順は、改善点を見つけるのにも役立ちます。業務を見直す際に、どの部分が非効率なのかを特定しやすくなるため、業務プロセス全体のさらなる効率化へとつながります。
アウトソーシング
アウトソーシングとは、自社の業務の一部を外部の専門業者に委託することを指します。特にバックオフィス業務においては、人事や経理、ITサポートなど、専門的な知識や技術が必要な業務が多いため、アウトソーシングは有効です。
その最大のメリットは、コスト削減と業務品質の向上にあります。人件費や教育コストを削減できるだけでなく、専門業者の知見を生かして業務を高水準で実施できます。これにより、自社のリソースをコア業務に集中させることが可能となります。ただし、委託先の選定は慎重に行う必要があります。信頼性や自社ニーズとの適合性を見極めることで、アウトソーシングの効果を最大限に引き出せます。
NTTネクシアでご支援した情報通信会社さまの事例では、インターネットプロバイダサービスに関わる各種受付、お問い合わせ対応、事務処理業務など、コンタクトセンター運営から周辺業務(BPO)まで、幅広い業務をNTTネクシアが企業さまに代わり実施しました。その結果、企業さまの社員がコア業務・新規業務へ注力できる体制の構築や、大幅なコスト削減などにつながりました。詳しくは以下の事例をご覧ください。
デジタル化とDX推進
デジタル化とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は、バックオフィス業務の効率化に不可欠です。デジタル技術を活用することで、業務プロセスの革新と迅速な意思決定が実現します。
例えば、クラウドサービスの導入により情報の共有やアクセスが容易になり、物理的な書類管理の手間を大幅に削減できます。また、データ分析ツールを用いることで、業務の流れやパフォーマンスをリアルタイムで把握し、迅速な意思決定が可能になります。
DX推進は全社的な意識改革が求められます。一部の部署だけに任せず、各部門が連携して取り組むことで、変革の効果を最大化できます。
DX化や委託先の選定について、以下のお役立ち資料もご用意しています。ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
バックオフィスとは、企業や組織のコア業務を支える重要な役割を担っています。業務の属人化や非効率な手作業といった課題を解決し、職員が本来注力すべきコア業務に集中できる環境を整えることで、リソースを有効活用し、バックオフィスの業務をよりスムーズに進めることも可能です。
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