コールセンター向けCRMとは?基本機能・効果・失敗しない選び方を徹底解説

  • #業務効率化
  • #顧客満足(CS)・顧客体験(CX)の向上

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コールセンター業務では「氏名や契約情報はシステムA」「問い合わせの履歴はシステムB」などと、顧客のデータが散在しがちです。そのような状況では検索に手間がかかり、顧客を待たせたり、担当者によって回答の品質に差が生まれたりしてしまいます。こうした課題の解決に役立つのが、コールセンター向けCRMです。

この記事では、コールセンター向けCRMの基本機能や導入の効果、選定時のチェックポイント、既存データから移行する流れまで解説します。

目次

コールセンター向けCRMとは?

コールセンター向けCRMとは、顧客の情報を一元的に管理し、通話中にリアルタイムに活用できるシステムのことです。後述するCTIとの連携により、電話の着信に連動させて以下のような情報を担当者のモニターに表示できます。

  • 氏名、年齢、性別、住所などの基本情報
  • 購買履歴、現在の契約情報
  • お問い合わせ履歴
  • 現在の対応状況 など

情報の把握の他、ワークフロー管理、データ分析、ナレッジやFAQの検索といった幅広い機能を備えている製品も多いのが特徴です。

「営業用CRM」と「コールセンター用CRM」の違い

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は一般的な営業にも利用されるシステムですが、コールセンター用CRMには電話と連動したリアルタイムの情報把握に適した機能が備わっています。

混同されやすいSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)も含めた三者の違いは以下のとおりです。

コールセンター用CRM 電話による顧客対応の支援が主目的。顧客情報の一元管理に加え、受電時に顧客の問い合わせ履歴が画面に自動で表示されるなど、リアルタイムでのサポートが特徴
営業用CRM 顧客との関係を総合的に記録。個別の商談管理の他、マーケティング部門が次のビジネス施策を検討するなど、営業の垣根を越えた業務までサポート
SFA 営業活動の支援に特化。商談の進捗管理や訪問予定、受注見込み(確度)などを表示

ただし、近年はそれぞれの機能を併せ持つ製品も登場しており、上記の区分けは曖昧になりつつあります。

コールセンター向けCRMの代表的な8つの基本機能

コールセンター向けCRMには主に8つの基本機能が存在します。

顧客情報・応対履歴の一元管理機能

氏名や電話番号などの顧客属性、契約・購買情報、過去の問い合わせ内容や対応の結果を一元管理する機能です。複数のシステムやExcelを行き来せず、必要な情報を一つの画面で管理・検索できます。

CTI連携機能(ポップアップ)

CTI(Computer Telephony Integration)は電話とコンピューターを連携させる仕組みです。CRMと併用することにより、着信番号から顧客を自動で特定し、基本情報や応対履歴を画面にポップアップ表示できます。

ナレッジ・FAQ連携機能

FAQやマニュアル、トークスクリプトなどを応対画面から速やかに検索・参照する機能です。オペレーターが回答するまでの顧客の待ち時間を削減できる他、すべてのオペレーターが同じ情報を根拠に回答しやすくなり、案内のばらつきを抑えられます。

対応ステータス・チケット管理機能

問い合わせごとに、未対応・対応中・確認待ち・完了などの状態を付け、期限とともに管理する機能です。他部署への確認や指定日の折り返しが必要な案件であっても、人的ミスによる連絡漏れを防げます。

情報共有・通知機能

顧客にまつわるメモの共有、引き継ぎ予定の担当者への通知などを案件に紐づけられる機能です。例えば、重要なクレームへの対応方針をCRMに記録して共有すれば、次の担当者も事情を踏まえて対話できます。SVへの速やかなエスカレーションにも有効です。

データ分析・集計(VOC)機能

入電理由、応答率、処理時間や対応の結果などを集計しグラフ化できる機能です。仮に「商品の初期設定がわからない」という問い合わせが増えていれば、コールセンターの人員を増やすだけでなく、Webサイトや説明書を改善する判断もできます。CRMに蓄積したVOC(Voice of Customer:顧客の声)を単なる電話対応の記録で終わらせず、商品の改良にまで活かせます。

ワークフロー機能

特例的な返金や契約変更など、上長承認や他部署への確認が必要な手続きについて、進捗管理をしたり画面上から申請したりできる機能です。申請→承認→次担当者への引き渡しといった順序を可視化することで、個別のオペレーターの不在に左右されず、案件がどこまで進んでいるのかが確認できます。

セキュリティ・権限管理機能

CRMには氏名、住所、契約内容などの重要な顧客情報が集まるため、適切なアクセス制御が欠かせません。製品によっては役職や担当業務に応じた閲覧・編集権限を与えられる他、操作ログの記録や個人情報のマスキングにも対応しています。

コールセンターCRM導入の4つの効果

続いて、自社コールセンターへのCRM導入により具体的にどのような効果を得られるのかを見ていきましょう。

過去履歴の即時参照による応対品質・CS向上

CRMで問い合わせ履歴や過去のご案内を確認できれば、「前回は商品の交換についてお問い合わせいただいていますね」と経緯を踏まえて会話を始められます。担当者が変わっても一つの企業として話がつながり、ブランドの信頼性や顧客満足度の向上が期待できます。

検索・入力の手間削減による通話時間(ATT)の短縮

コールセンターの業務改善では、お問い合わせ1件当たりの平均通話時間(ATT)や平均後処理時間(ACW)の短縮が重要です。着信時に手動の検索なしで顧客情報を表示したり、同じ画面からお問い合わせの結果をスムーズに入力できたりすれば、顧客との会話そのものを急ぐことなく無駄な時間を削減できます。結果としてオペレーターを増員しなくても対応できる件数が増え、あふれ呼も防ぎやすくなります。

応対の標準化による新人オペレーターの早期戦力化

CRMにFAQやトークスクリプト、過去の対応履歴やエスカレーション手順などを集約すれば、新人オペレーターでも共通の情報をもとに対応ができます。「この情報はどこにあるのか」「誰に尋ねればよいのか」と迷う時間を減らし、自分で学べるようにもなるなど、早期の習熟を支援できます。

CRMによるオムニチャネル化とCX(顧客体験)の向上

CRMを共通の基盤として活用すれば、「チャットでここまで確認した」「店舗ではこの案内を受けた」といった複数チャネルでのやり取りをひとつに統合・共有できます。チャネルを跨いでも一貫した対応が可能となる「オムニチャネル」を実現することで、顧客の二度手間やストレスを減らし、CX(顧客体験価値)の最大化に貢献します。

コールセンターCRM選定の5つのチェックポイント

CRM選定において後悔を避けるためには、大きく以下の5つのポイントがあります。

通話しながらでも使いやすい操作性(UI/UX)

オペレーターは顧客の話に耳を傾け、丁寧な回答を考えながらパソコンを操作します。そのためCRMには、機能の豊富さはもちろん、必要な情報に少ない操作で到達できることが求められます。

選定時には、着信→顧客情報の確認→履歴の参照→終話後の記録という実際の流れを踏まえ、画面の遷移や入力の回数を確認しましょう。

既存の電話回線・PBXとの連携性

既存のPBXやCTI、電話回線と円滑に連携できるのかもチェックしておきましょう。単に連携が可能かだけでなく、標準の機能やAPI、プラグインで対応できるか、個別の開発や追加の費用が必要かまで検討すべきです。

自社の業務フローに合わせたカスタマイズ性

コールセンターでは、問い合わせ内容によって必要な入力項目や画面の構成が異なります。修理なら製品の型番や故障の症状、来店の予約なら希望の日時や人数など、自社の業務に適した構成が求められます。このようなレイアウト変更が自社側で完結できるCRMであれば、新事業の立ち上げや業務の変更にもスムーズに対応でき、長く利用していけます。

トラブル時も安心な24時間365日のサポート体制

CRMに障害が起きると、顧客の情報や履歴が確認できず、電話の応対が滞るリスクがあります。トラブルに対して夜間や休日でも速やかに対応してくれる、そもそもトラブルが起きにくいよう初期体制の構築まで伴走してくれるなど、手厚いサポートを持つベンダーを選ぶのがよいでしょう。

呼量・人件費削減による費用対効果(ROI)

CRMの費用対効果は月額料金だけでは判断できません。前述したATTやACWの短縮による1件当たりの対応時間の変化や、それによるオペレーター1名当たりの受電件数の増加まで考慮します。

また、問い合わせ理由をCRMで分析して顧客の自己解決に向けた導線(FAQやWebの使い方ガイド)を改善できれば、入電そのものを減らせます。このような連鎖的な改善まで考慮したうえで費用対効果を見極めましょう。

コールセンターCRMの移行・統合ステップ

コールセンターCRMの導入時は、段階を踏んで既存システムとの移行・統合を進めていけると安心です。そのステップを解説します。

ステップ1:既存データの確認と統合範囲の決定

最初に、自社の顧客情報がどこに存在し、どのような形式で管理されているのかを確認します。社内に点在する情報をCRMへ雑多に集約してしまうと、データの重複や煩雑化が起こるためです。重複や表記揺れを整理したうえで、今後の応対に必要な顧客属性、契約情報、問い合わせ履歴などの移行対象を決めます。

ステップ2:画面設計とCTI連携テストの実施

次に、実際の応対フローに合わせてCRM画面を設計します。着信から応対内容の記録までの一連の流れから、各場面で自社オペレーターが必要な情報を洗い出しましょう。加えて、氏名・契約情報・応対の履歴など、ひんぱんに確認する項目を見やすい位置へ配置し、通話中に画面を何度も切り替えずに済む環境をめざします。

画面を設定したあとは、テスト用の顧客データと番号を用意して、CTIとの連携を確認します。少なくとも以下の項目はチェックしましょう。

  • 登録済みの番号による着信時に正しい顧客情報が自動表示されるか
  • 番号から顧客を特定できない場合に検索や新規受付の対応へ移行できるか
  • 通話後の応対内容が顧客に正しく紐づいた状態で保存されるか

ステップ3:マニュアル整備とオペレーター研修

マニュアルは操作方法だけでなく、着信時にどこを見るか、折り返し案件をどう登録するか、判断できない場合は誰へ渡すのかなど、実際の応対シーンに沿って作成します。

本番前にはロールプレイングをおこない、顧客役のスタッフの話を聞きながら、履歴の検索・回答・記録までの流れを練習しましょう。

マニュアル整備の詳細はこちら

オペレーター研修の詳細はこちら

ステップ4:一部窓口でのテスト運用から全体導入へ

CRMの運用開始時は全窓口を一斉に切り替えるのではなく、特定のチームや問い合わせ窓口からトライアル運用を進めていきます。現場で使うことで、検索条件の不足や特定の項目の入力しづらさなど、設計時にはわからなかった課題が見えてきます。修正と導入範囲の拡大を繰り返せば、社内の混乱を抑えながら導入を進められます。

最適なCRM構築から運用定着まで「NTTネクシア」へ

コールセンターCRMの導入では、製品を見比べて選ぶのみでは不十分です。既存環境との連携を踏まえつつ、実際に操作するオペレーターの負担まで考慮しながら全体のシステムを設計する必要があります。

NTTネクシアでは、このようなCRMの構築から運用の定着までを一括でサポートしています。

業務に合わせたマルチベンダーでのシステム提案

NTTネクシアは、コンタクトセンター、BPO、ITソリューションなど複数領域のサービスを提供し、幅広いパートナー企業様との連携を進めています。特定のベンダーに依存することなく、貴社の現環境や業務シーンに最適なCRM・CTIの組み合わせをご提案します。

構築からオペレーター運用(BPO)までの一気通貫支援

CRMの導入では、オペレーターが日常の業務でスムーズに使い続けられる状態を作ることが重要です。

NTTネクシアは、コンタクトセンターの構築や運営の受託までを担ってきた経験を活かし、貴社のコールセンターにおいてCRMの利用がしっかりと浸透するまで伴走します。システムの提案に留まらず、現場が扱いやすいマニュアルの整備や高度なオペレーター研修の実施までご相談いただけます。

NTTネクシアの次世代型コンタクトセンターの詳細はこちら

コールセンターCRMでデータ統合と品質向上を実現しよう

コールセンター向けCRMの導入は、分散する顧客情報や応対の履歴を一元化し、担当者が顧客の状況を理解して対応するための解決策となります。受電時に顧客情報を確認し、前回の続きから会話を始め、回答に迷えば共通のナレッジを参照する。こうした対応の積み重ねが、「どの担当者でも話が通じる」という顧客の安心感につながります。

現在の顧客対応の品質やデータの集約に課題を感じている場合は、効果的なCRMの活用やコンタクトセンター運用について、ぜひNTTネクシアへご相談ください。

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