【基礎編】コールセンター運営で使われる用語15選!3つのカテゴリ別にわかりやすく解説

  • #顧客接点(窓口)の強化

シェア

コールセンターの運営では専門的な用語が使われる機会が多いので、基本的な言葉の意味を知っておくことは運営をスムーズに行うのに役立ちます。しかし聞き慣れない用語も多く、難しく感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、コールセンターで使われる言葉やシステムの名称などをジャンル分けして紹介します。代表的な用語をまとめていますので、コールセンター運営をされている方やこれからコールセンター業務に携わる方、自社にコールセンターを立ち上げる予定の企業さまは、ぜひ参考にしてみてください。

目次

コールセンター業務で使われる用語5選

コールセンターでは、さまざまな用語が使用されます。ここでは、主に業務で使われる4つの用語の意味を解説します。

トークスクリプト

トークスクリプトとは、会話の流れや対応方法を記した電話応対時のマニュアルです。一般的なトークスクリプトはお客さまが「はい」「いいえ」で答えられる質問文で作成されており、オペレーターはフローチャートに沿って会話を進めます。

相手の回答を予測して会話が組み立てられるので、経験が浅い新人オペレーターでも判断や言葉に迷うことなく電話応対を行えます。トークスクリプトを活用することでオペレーターのスキルや経験によるバラツキをなくし、迅速で正確な顧客対応を実現できるのがメリットです。経験豊富なベテランオペレーターのトークを参考にすることで、質の高いトークスクリプトを作成できます。

インバウンド

インバウンドとは、顧客からの電話を受ける業務です。インバウンドは、主に以下のような業務を行います。

  • 商品やサービスについての問い合わせ
  • 商品注文やサービスの申し込み
  • 資料請求
  • クレーム対応

コールセンターは、日々多くのお客さまから商品やサービスに関するさまざまな問い合わせを受けます。オペレーターは顧客の困りごとや要望を正確に捉え、迅速かつ丁寧な対応で問題解決しなければなりません。インバウンドの業務内容は多岐にわたるため、オペレーターは高いスキルと豊富な知識が必要です。インバウンドの仕事内容については、以下の関連記事も参考にしてみてください。

コールセンターのインバウンドとは「受電業務」3つの課題と解決策3選を紹介

アウトバウンド

アウトバウンドとは、企業側から顧客へ電話をかける業務全般を指します。アウトバウンドの主な業務は、以下のようなものがあります。

  • 商品・サービスの案内
  • アンケート調査
  • キャンペーン紹介
  • 督促

アウトバウンド業務は企業側からお客さまに電話をかける業務全般を指すため、相手は個人に限らず法人の場合もあります。顧客の望んでいないタイミングでも電話をかけるため、話を聞いてもらえないことすらあります。相手に興味を持ってもらうためには、高いトーク力と商品・サービスに関する十分な知識が必要です。

エスカレーション

エスカレーションとは、電話を受けたオペレーターでは対応できない場合に責任者やSV(スーパーバイザー)に引き継ぐことです。具体的には、以下のような場面で発生しやすいです。

  • オペレーターの知識・経験不足で問い合わせに答えられない場合
  • 値段交渉などオペレーターでは判断できない内容の場合
  • 自社製品・サービスで起きたトラブルによるクレーム対応の場合
  • 不適切な発言によりトラブルが起こった場合

エスカレーションの発生要因は、オペレーターの対応や自社製品の不具合など企業側に落ち度がある場合が多いです。そのため、エスカレーションを行う際はタイミングの見極めが重要です。エスカレーションのタイミングが遅れると顧客の不満が増幅し、重大なトラブルへ発展する可能性が高まるため注意しましょう。

VOC(Voice Of Customer)

VOCとは、コールセンターに寄せられた問い合わせやアンケート調査の結果などを収集した「お客さまの声」です。VOCを収集し分析することで顧客の要望や社会のニーズを把握できるので、新商品の開発やサービス改善に役立ちます。

また、VOCを活用することでコールセンターにおける応対品質の均一化にもつながります。VOCをもとに「よくある質問集」を作成すれば顧客の自己解決力向上にも貢献するので、コールセンター全体の対応力強化や迅速化が可能です。

NTTネクシアではコールセンターなどで録音された音声を音声認識によりテキスト化及び分析を行うことで、経営や事業活動の向上にお役立ていただくVOCサービスを幅広いメニューで提供しています。

VOC(お客さまの声)分析サービス

コールセンターで使われるシステム系の用語5選

コールセンターでは専用のシステムが使用されるため、それぞれどのような役割を果たしているかを理解しておきましょう。ここでは、よく使われる5つのシステムの用語を詳しく解説します。

CTI(Computer Telephony Integration)

CTIとは、電話と顧客管理システム(CRM※)を連携させるシステムです。CTIとCRMシステムを連携させることで、入電時に顧客情報をパソコンに表示できます。

CTIを活用することで、迅速で適切な電話応対を実現できます。

※CRMについては後述します。

PBX(Private Branch eXchange)

PBXとは、複数の電話回線を効率よく使用するための制御装置です。PBXの機能には、以下のようなものがあります。

  • 発着信の制御
  • 内線同士の通話
  • スマートフォンなどへの転送
  • パーク保留

発着信の制御機能により、直通と内線番号の紐づけが可能です。内線同士の通話が可能なので、外部からの着信を他部署に転送できます。このほかPBXは代表番号着信やパーク保留などさまざまな機能が搭載されているので、電話応対業務の効率化に役立ちます。PBXには種類があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • クラウドPBX:クラウド上のPBXを使用して音声通話を行うサービス
  • IP-PBX:インターネット回線を使用して音声通話を行うサービス
  • レガシーPBX:電話回線を使用して音声通話を行うPBXサービス

クラウドPBXは専用装置の設置や利用するための工事などが少なく済み、ほかのPBXと比較して初期費用を抑えて導入できるのがメリットです。

NTTネクシアでは、クラウドPBXを利用して、在宅環境でもコールセンター勤務と遜色のないオペレーター管理を実現しています。

在宅コンタクトセンター

IVR(Interactive Voice Response)

IVRとは、音声による自動応答装置を指します。音声認識やプッシュ操作の案内を流し、問い合わせに対応するシステムです。顧客が案内に沿って操作を行うことで、問い合わせ内容に合わせて適切な担当者に振り分けられます。

IVRを活用することで転送やかけ直しの手間が省かれ、顧客側の不満や負担を軽減できるのがメリットです。またオペレーターの負担軽減や業務効率化にもつながるため、迅速で的確な問い合わせ対応を実現できます。

NTTネクシアでは、コールセンターの入電をIVRとSMSによってWebサイトへ誘導することで、コールセンターの効率化とCS(顧客満足度)向上を実現するソリューションを提供しています。

ビジュアルIVR

CRM(Customer Relationship Management)

CRMとは、顧客情報や対応履歴などを蓄積し管理するシステムです。CRMは、顧客情報の管理や通話履歴の一元管理などが行えます。またCRMを活用することで、コールセンター内全体での情報共有が容易になるのがメリットです。

電話応対時に顧客情報とこれまでのやり取りを素早く把握できるので、スムーズな問い合わせ対応を実現できます。顧客情報や履歴を効率よく管理し、顧客との円滑なコミュニケーションの実現に役立ちます。

ウィスパリング

ウィスパリングとは、顧客との通話中にオペレーターだけに聞こえるように責任者が指示を出せる機能です。顧客と通話状態のままサポートできるので、保留などで待たせることなくスムーズな問題解決が可能です。

電話応対時のトラブルを未然に防ぎ、万が一エスカレーションが必要な場合には迅速な指示出しができます。ウィスパリング機能を使えばすぐに責任者がアドバイスできるので、オペレーターの新人教育にも活用できます。

コールセンター運営における指標で使われる用語5選

コールセンターを運営する際は、企業目標の達成状況を確認するためにさまざまな指標(KPI)が用いられます。この章では、コールセンターの応対品質や業務効率化に関連するKPIについて解説するので参考にしてみてください。

応答率

応答率とは、顧客からの着信にオペレーターが応対した割合です。応答率を算出する際は、以下の式で計算します。

【応答率(%)=対応件数÷着信件数×100】

応答率が低い状態は電話の「つながりにくさ」を感じさせているため、顧客満足度の低下を引き起こす可能性が高いです。応答率が低くなる要因は、以下のようなことが考えられます。

  • 着信件数に対してオペレーターが不足している
  • 平均処理時間(AHT※)が長い
  • 想定を上回る入電数

応答率の目安は「90%以上」を適正値としている企業が多く、下回る場合はオペレーター増員や業務改善の必要があります。

※AHTについては後述します。

放棄呼率

放棄呼率とは、オペレーターに接続する前に電話が切断された(放棄された)割合です。放棄呼率を算出する際は、以下の式で計算します。

【放棄呼率(%)=放棄された件数÷着信件数×100】

放棄呼率が高くなる要因はオペレーター不足や業務フローの問題のほか、WebサイトでのFAQ不足やチャットボットなど顧客が自己解決できるツールが不足していることが考えられます。放棄呼率の目安は、8%以下が望ましいとされています。

割合が低くても放棄呼を放っておくと、顧客との機会損失の増加や顧客満足度の低下を招き、企業のイメージダウンにつながる可能性があるため注意が必要です。

放棄呼率が一桁台だとしても、数値を下げるための取り組みは欠かせません。入電が集中しやすい時間帯の増員や1件あたりの処理時間短縮などのほか、ボイスボットの導入もおすすめです。ボイスボットであれば、音声を使って電話応対業務を自動化できるので放棄呼率軽減に有効です。

AI音声応答サービス(ボイスボット)

平均処理時間(AHT(Average Handling Time))

平均処理時間とは、着信1件あたりの通話時間の平均です。平均処理時間を算出する際は、以下の式で計算します。

【平均処理時間=平均通話時間(合計通話時間÷総対応件数)+ 平均後処理時間(合計後処理時間÷総対応件数)】

AHTには保留時間やフォローアップ時間も含みます。また、AHTの適正値は、コールセンターの体制や提供している商品・サービスの内容によって異なります。AHTが長すぎるのは望ましくないですが、短いから良いというわけではありません。顧客の困りごとや問題を解決することを重視したうえで、保留時間を短くするなどの対策を行うことが大切です。AHTについてより詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてみてください。

【これで解決】コールセンターのAHTは生産性向上に繋がる指標【ATT・ACWについても解説】

CS(Customer Satisfaction)

CSとは、商品やサービスなどに対する顧客満足度を指します。そのためコールセンターにおいては、問い合わせにより疑問や問題が解決できたかがCSの対象です。CSは応答率や放棄呼率のように計算式で算出できないので、顧客へ実施したアンケート結果を数値化するのが一般的です。

丁寧なサービスや的確なサポートを提供できれば、コールセンター内のCS向上だけでなく企業全体のCS向上につながります。

離職率

離職率とは、一定期間内に退職したオペレーターの割合を指します。離職率を算出する際は、以下の式で計算します。

【離職率(%)=離職者数÷従業員数×100】

離職率が高いと、応対品質や生産性の低下を招く可能性が高まります。業務負担が大きいことや成果に結びつきにくい点が離職率を上げる要因となっていることが考えられるため、オペレーターの負担軽減につながる取り組みが必要です。

教育や研修を充実させ、フォロー体制を整えることでオペレーターの負担軽減が期待できます。離職率でお悩みの方は、以下の関連記事も参考にしてみてください。

【これで解決】コールセンターの離職率が高い理由と改善策5選

まとめ

コールセンターでは、業務やシステムなどに関する専門用語が多く使われます。基本的な言葉の意味を知っておくことはコールセンターの運営をスムーズに行うのに役立ちます。また、コールセンターシステムに関する用語を理解しておけば、業務効率化や顧客満足度向上のための設備導入を検討する際に役立ちます

「NTTネクシア」では、業務効率化や顧客満足度向上につながる高品質なコールセンター構築が可能です。電話応対業務に関するお困りごとやシステム導入をお考えの企業さまは、お気軽に「NTTネクシア」へご相談ください。

NTTネクシアが目指す新たなコンタクトセンター「デジタルCSセンター」

シェア

ご相談やご質問など、
お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせはこちら