コールセンターのIVR(自動音声応答)とは?仕組み・導入すべき業種・選び方を解説

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「電話がつながりにくい」「営業時間外の問い合わせを取りこぼしている」「定型的な質問までオペレーターが受けている」。このようなコールセンターの課題に対して、IVRは有力な解決策となります。

この記事では、IVRの仕組みから注目の背景、代表的な活用方法、導入に向く業種、メリットや注意点、選定方法、導入手順まで解説します。

目次

コールセンターのIVR(自動音声応答)とは?仕組みと注目される背景

IVR(Interactive Voice Response)とは、着信した電話に自動音声で応答し、顧客のボタン操作に応じて案内や処理を分岐させるシステムです。コールセンターの入口で用件を整理する役割を担います。

IVRの基本的な仕組み

IVRでは、電話が着信すると、「ご契約内容の確認は1を、登録住所のご変更は2を押してください」などと自動音声が流れます。顧客が電話機のボタンを押すと、プッシュ操作で送られた信号が読み取られ、入力に応じて次の案内や転送先が切り替わる仕組みです。あらかじめ設定したシナリオに沿って処理を分岐させます。

コールセンターでIVRの導入が進む背景

IVRはコールセンターの人手不足対策として多く導入されています。用件ごとの振り分けにより、適切な知識を持つオペレーターが最初から対応することで、同一人員数当たりの処理効率の最大化をめざせます。

加えて近年は、スマートフォンが広く普及したことで、ビジュアルIVR(自動音声ガイダンスの途中にSMSを送信し、URLからWebサイトのお問い合わせメニューを表示する仕組み)との組み合わせも注目されており、顧客が悩みごとを自己解決できる導線も組み込みやすくなりました。

さらに生成AIやボイスボットの進化により、音声で用件を聞き取り回答や受付まで自動化できるIVRシステムも実用レベルで提供されています。

コールセンターにおけるIVRの代表的な活用パターン

ここ数年のコールセンター業務の形は、IVRを中心に変わりつつあります。代表的な活用パターンを5つご紹介します。

用件別の担当部署・スキルグループへの自動振り分け

もっとも基本的な活用方法は、顧客の用件に応じて着信先を自動で振り分けることです。契約内容の変更、故障・トラブル、解約などと入口で分類し、各担当部署や必要なスキルを持つオペレーターに接続します。

営業時間外・休日における自動音声ガイダンス対応

営業時間外や休日の着信でも、IVRであれば自動音声による一次対応が可能です。「受付時間は平日9時から18時です」などと案内するだけでなく、翌営業日の折り返しを受け付ける、WebフォームやFAQを案内するといった分岐も用意できます。

あふれ呼・混雑時の折り返し予約および待ち時間案内

オンタイムにオペレーターが電話を受けきれなくなった場合でも、IVRでは顧客に自動音声を流せます。「ただいま混み合っています。待ち時間の目安は○○分です」などと案内したり、折り返し電話を希望する顧客の予約を受け付けたりできます。

注文受付や残高確認などのガイダンス自動回答

処理のパターンが明確な問い合わせに対しては、IVRで対応を完結することも可能です。資料請求、注文受付、利用残高の確認などへの対応が挙げられます。顧客が番号や必要情報を入力し、業務システムから取得した結果を自動音声で返せる構成であれば、人の手を介さずに疑問を解消できます。

ビジュアルIVRやWebフォームへの誘導(SMS送信連携)

ビジュアルIVRであれば、音声ガイダンスの途中にSMSを送信してWebサイトに誘導できます。Q&Aを確認してもらったり、問い合わせフォームから悩みごとを相談してもらったりすることで、顧客体験の向上につなげられます。

IVRの導入に向いている主な業種

IVRは電話応対をともなう企業であれば業種を問わずに有効です。ここでは分野ごとの代表的な活用方法をご紹介します。

金融・保険・カード業界(照会・手続き・紛失受付)

金融・保険・カード業界では、残高照会や契約内容の確認、各種変更手続き、カード紛失など、緊急度の異なる多様な用件の問い合わせが寄せられます。これらをIVRで分類すれば、紛失・盗難のような緊急の問い合わせは専用窓口に接続し、一般的な照会や手続きは自動案内やWebへと振り分けられます。

銀行・金融機関でAI導入の詳細はこちら

EC・通販・小売業界(注文受付・配送確認・返品問い合わせ)

EC・通販・小売業界では、注文受付、配送状況の確認、定期購入の変更といった定型的な電話問い合わせが頻発します。回答を自動化しやすく、IVR導入の効果を期待しやすい領域です。もちろん「届いた商品に傷があった」「返品条件に当てはまるかわからない」といった個別判断が必要な相談はオペレーターへと回せます。

通信・IT・Webサービス業界(テクニカルサポート・解約受付)

通信・IT・Webサービス業界は、契約変更、料金確認、ログインや設定のトラブル、障害や解約など、問い合わせ範囲が広く、必要な知識も用件によって異なります。「ネットワーク障害は技術担当、料金は......」と、IVRでルートを整理する効果が大きい業界です。顧客が同じ説明を何度もしなければならないような状況を減らせます。

インフラ・不動産・行政機関(緊急時・夜間休日受付・予約受付)

電気・ガス・水道、不動産、行政窓口などでは、通常の手続きと緊急連絡の振り分けにIVRが活躍します。例えば、引越しに伴う開栓・閉栓とガス漏れ等の緊急対応、不動産の内見予約と鍵の紛失トラブルなど、用件の緊急度に応じた自動振分やWeb誘導が効果的です。

実際に札幌市水道局の電話窓口にて、ガイダンスからSMS経由でWeb申請へ誘導し、着信数削減や受付処理時間の短縮を実現した事例もございます。

札幌市水道局の事例はこちら

医療・福祉・サービス業界(予約・診療時間案内・問い合わせ受付)

医療機関、介護・福祉施設、ホテルや店舗などでは、予約申し込み、診療時間・営業時間の確認、アクセスや持ち物の相談といった多数の問い合わせが現場スタッフに負担を生じさせています。IVRでよくある質問を自動案内し、予約変更はWebフォームへ誘導するなどの自動化ができれば、担当者は目の前の顧客対応に集中しやすくなります。

コールセンターにIVRを導入する4つのメリット

では、コールセンターへのIVR導入により、導入企業側はどのようなメリットが得られるのでしょうか。

業務効率化とオペレーターの受電負担軽減

IVRを導入すると、回答を定型化できる問い合わせを自動処理へと移せます。顧客の自己解決が期待できる他、有人対応が必要な場合も、用件別の振り分けにより、「修理のお申し込みでしょうか」などと用件を予想した状態で対応をスタートできます。

適切な一次振り分けによる保留・転送時間の削減

お問い合わせのシーンにおいて顧客の不満となりやすいのが、「担当者が異なる」として別部署へ転送される場面です。転送のたびに保留され、場合によっては同じ内容を何度も説明する必要があります。IVRで問い合わせ目的を確認し、最初から適切な部署へとつなげられれば、保留や誤転送を減らせます。

24時間365日対応による顧客満足度(CS)の向上

IVRを活用すると、24時間365日、オペレーターが不在のタイミングでも自動応答を提供できます。ボイスボットや業務システムと組み合わせれば、FAQを用いた音声回答、注文・予約や折り返し連絡の受付なども自動化が可能です。「A社はわからないことがあっても電話ですぐに解決できる」などといった印象を与えることができ、顧客満足度やブランドイメージの向上に結びつきます。

あふれ呼・応答率の改善による機会損失の防止

キャンペーン開始や障害発生などによって電話が集中すると、オペレーターにつながらない「あふれ呼」が生じます。長時間待たされた顧客が諦めて電話を切れば、予約や注文、購入前相談といった重要な販売機会を損失する可能性があります。IVRが初期対応を担うことで、こうしたリスクを低減できます。

IVR導入の3つの注意点と対策

IVRは、適切に設計すれば顧客とオペレーター双方の負担を減らせます。一方で、センター側の効率だけを優先すると、負担を顧客に押し付けてしまう恐れがあります。3つの注意点と対策を見ていきましょう。

階層が深いガイダンスによる顧客ストレス(離脱)と対策

すべてをIVRに任せようと選択肢を細分化すると、顧客は目的の窓口へ到達するまで何度もガイダンスを聞かなければなりません。「1を押したあとに3、さらに2、そして......」と操作が続けば、電話を切られてしまう恐れもあります。

対策として、浅い階層に顧客の利用頻度が高い選択肢を優先して用意しましょう。ガイダンス文を短く簡潔に保つことも大切です。複雑な応対まで処理したい場合はビジュアルIVRの併用も検討しましょう。

緊急時や複雑な問い合わせへの臨機応変な対応難と対策

IVRは事前に設定したシナリオに沿って処理する仕組みです。「複数のトラブルが発生している」「選択肢のどれにも該当しない」といった問い合わせの場合、顧客を適切な窓口へ案内できないことがあります。

そうした場合の備えとして、「その他の方は8を」など、人間のオペレーターにつながる選択肢も用意しておきましょう。

音声シナリオの構築・メンテナンスの手間と対策

商品や料金プランの変更、窓口の統廃合などによって問い合わせ内容が変われば、それに合わせて音声シナリオ(選択肢やアナウンス)も見直す必要があります。こうした変更を自社側で簡単に処理できる直感的なツールを選ぶことが解決策となります。

コールセンター向けIVR選定の5つのポイント

続いて、コールセンター向けIVRの選定のポイントをご紹介します。

自社の電話基盤(PBX/CTI・クラウド)との接続性

まず確認したいのが、現在自社で利用しているPBX・CTI・クラウド環境などとの接続性です。コストパフォーマンスが良く見えるIVRでも、既存環境と連携できなければ電話基盤の大幅な改修が必要となり、導入までの費用や期間が膨らみます。

CRM連携やビジュアルIVR・ボイスボットとの連携力

電話基盤に加え、CRMや周辺システムとの連携も重要なポイントです。例えば、IVRで顧客の番号や用件を受け取り、その情報をCRMへ渡せれば、オペレーターは着信した時点で顧客情報と問い合わせ理由を把握できます。

また、SMSによるWeb誘導ができるビジュアルIVRや音声で用件を聞き取るボイスボットなどを将来的に利用したい場合は、拡張の可能性と費用についてあらかじめベンダーと相談しておきましょう。

離脱を防ぐシナリオ設計の容易性・変更の操作性

IVRでは、導入後も電話を途中で切られる割合を減らすべくシナリオを磨き上げていくことが求められます。

管理画面上で分岐を視覚的に確認でき、ドラッグ操作による順番や接続先の変更にも対応しているなど、シナリオの変更を自社で簡単におこなえるシステムを選択しましょう。

あふれ呼や急な入電増加に耐えられる回線数(同時接続数)

テレビで商品が紹介された直後やサービスの障害発生時などには、コールセンターに着信が集中します。このとき、同時接続数が不足していれば、IVRで自動処理できたとしても十分な効果が得られません。過去の最大入電数や繁忙期の記録を確認し、適切な回線数を確保できるサービスを検討しましょう。一時的な容量拡張が可能かどうかベンダーへ確認することも大切です。

シナリオ構築から運用まで任せられるサポート体制

社内にIVR運用の経験がない場合、機能を提供するだけでサポート体制が整っていないベンダーを選んでしまうと、適切なシナリオを作れない恐れがあります。現状の問い合わせ分析から相談できるか、音声原稿や分岐を提案してもらえるか、運用後の離脱データを踏まえた改善を検討してもらえるかなど、幅広い支援を提供するベンダーを選ぶのがおすすめです。

IVR導入・構築の4ステップ

IVRの導入は、大きく以下の4つのステップで進行します。

ステップ1:入電理由(VOC)の集計と一次振り分け条件の整理

最初に、現在はどのような理由でどれだけの顧客から電話が入っているかを集計します。通話ログやCRMに記録された問い合わせの分類、現場へのヒアリングを通じ、入電理由と件数を洗い出します。

次に、各用件を、自動回答が可能・Webへ誘導すべき・専門部署へ振り分ける、などと分類します。処理方法の分類は企業や業界によって異なりますが、頻度・緊急度・自動化しやすさの3点から検討するとよいでしょう。

ステップ2:音声シナリオの設計とアナウンス原稿の作成

振り分け条件が決まったら、顧客が電話をかけてから解決するまでのシナリオを作ります。料金→支払い方法→SMSでWeb案内、故障→製品種別→技術窓口、などと振り分けフローを用意し、選択肢と次の処理をつなぎます。

アナウンスの文言は、社内用語や業界用語、堅苦しい表現を避け、顧客が理解しやすい具体的な表現にします。例えば、「契約の諸条件に関する各種変更お手続きは1」とするよりも、「住所・支払い方法の変更は1」としたほうが、顧客は選択すべき番号を選びやすいでしょう。

ステップ3:システム設定とテスト発信・テスト運用の実施

シナリオが固まったら、IVRシステムに分岐条件、音声ファイル、転送先やSMS送信先などを設定し、実際に電話をかけてテストします。画面上のフローでは正しくても、音声で聞くと、選択肢が長い、音声が不自然、転送まで時間がかかりすぎる、といった問題が見つかる場合があります。

テストでは、正常な操作だけでなく、想定外の動き(どのボタンも入力してもらえない、同じ番号を過剰に連打されるなど)も検証しておきましょう。

ステップ4:本番稼働と離脱率データのモニタリング・改善

本番稼働後は、IVRの利用状況を定期的に確認します。各階層でどの選択肢が選ばれたか、どこで切断されたか、有人転送へ進んだ割合、Web誘導後に再入電が起きる割合など、顧客が実際にたどった経路をデータで追います。

仮に特定のガイダンス直後に離脱が増えているのなら、案内が長い、意味がわかりづらい、目的の選択肢がないといった原因が見え、対策を講じやすくなるでしょう。

IVR導入とコールセンター運用なら「NTTネクシア」へ

IVRを自社業務で活かすためには、「どの経路へ、どのように案内すれば、顧客は迷わず問題を解決できるのか」に配慮した高度な業務設計が欠かせません。

NTTネクシアでは、長年のコンタクトセンター運営で培ったノウハウと最新のデジタルソリューション(ビジュアルIVRやAI音声応答)を組み合わせ、IVR導入を支援しています。

豊富なセンター運営実績に基づく離脱させないシナリオ設計支援

NTTネクシアでは、400社以上(※)のコンタクトセンター導入実績を活かし、貴社のご要望に応じた音声シナリオをご提案しています。
※2026年4月1日現在

どのような表現のガイダンスであれば顧客の離脱を防げるのか、顧客が迷わずに問い合わせを終えるためにはどのようなフローが適切か、といった課題を踏まえた提案はもちろん、貴社のご要望(可能な限り人の手を必要としないシステムを作ってほしい、など)との摺り合わせをおこないながら、企業と顧客の双方に利益をもたらすシナリオを構築しています。

システム構築からオペレーター運用までの一気通貫伴走サポート

IVRにまつわる支援だけでなく、オペレーター用のマニュアル作成や電話業務自体の委託(BPO)までお任せいただけるのも、NTTネクシアならではの特徴です。

「電話応対の負担増に困っているが、どう改善してよいのかわからない」といった初期段階のお悩みに対しても、過去の事例から貴社の真の課題を見つけ出し、解決策のご提案と実際の運用・改善まで、一気通貫で伴走いたします。

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IVRを活用してコールセンターの業務効率化と応対品質向上を実現しよう

IVRは、問い合わせ内容に応じた窓口への振り分けや定型回答を自動化し、オペレーターの受電負担を軽減できるシステムです。ビジュアルIVRでWebでの自己解決に誘導したり、ボイスボットで予約受付まで自動化できたりと、近年は活用の幅も広がっています。

まずは一度、貴社の電話業務にまつわる課題感を以下よりお聞かせください。

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