近年、ビジネスや生活のさまざまなシーンにおいて、グローバル化の波が押し寄せています。コンタクトセンターを運営する企業にとっても、市場のニーズの変化を捉え、しかるべきサービスや運用体制を整えていくことが重要です。

今回は、当社が提供する「多言語コミュニケーションサービス」の開発に携わった担当部長と、多言語に対応するコンタクトセンターの運営、人材採用、人材育成に携わる当社のスーパーバイザーに話を聞きました。

出席者:第一営業本部 NTTグループ第一営業部門 担当部長 井上暢
    第一営業本部 NTTグループ第一営業部門 外国語情報センター スーパーバイザー テネール佳代子


◆コンタクトセンターを開設している各社の傾向


早くから海外展開をしてきた企業は、既に運用体制を整えてノウハウを蓄積している。一方最近では、「英語のみ」対応はするものの「ネイティブ品質」を提供できないセンターも多数。

— コンタクトセンターを運営するさまざまな企業がある中、「多言語対応」については各社でどのような取り組みを行っているのでしょうか?昨今の傾向を教えてください。

井上:
貿易を主事業とする商社、一部の大手電機メーカーなど、かねてより海外とのやり取りが欠かせない事業を展開する企業では、複数の言語に対応したコンタクトセンターを早くから立ち上げ、十分な運用体制やノウハウの蓄積を既に実現しています。

私もある企業のセンターを見学させていただいたことがありますが、グローバルなビジネスシーンにおける高品質な応対、人材育成、多言語での運営に関わるあらゆる仕組みが整備されており、完成度の高い運用管理が行われていました。


テネール:
一方で最近になって増えてきたのが、日本語に加えて「英語」のみ対応しているコンタクトセンターです。しかし、その多くは、いわゆる「ネイティブ品質」には到達しておらず、応対品質にも改善すべき点が多々あるようです。

パソコンやスマートフォンで気軽に利用できる翻訳サービスなども普及しつつありますが、それらがビジネスの重要な局面では利用されないのと同じように、外国のお客様に十分な品質で応対するためには、各社とも今後の改善が不可欠だと言えるでしょう。



◆今後の需要傾向


日本のさまざまな魅力にも注目が集まり、多言語対応の需要は増加傾向。ビジネスチャンスが広がり、そこには必ずコミュニケーションが必要となる。

— 社会的なニーズの傾向はいかがでしょうか?

井上:
需要は確実に増加していく傾向にあり、多言語対応は、今後のビジネスチャンスを逃さないための重要な鍵になると思います。各国において企業の海外進出は加速し、日本を訪れる観光客も増加すると言われています。
家電量販店、銀座の老舗店、東北地方のお米や日本酒など、日本には、外国の方が注目する魅力が数えきれないほどあります。

そして、世界的なスポーツの祭典が東京で開催されることにより、ビジネスチャンスも急激に広がると思われます。人が動き、経済的な活動が行われるとき、そこには必ずコミュニケーションが必要となります。多言語対応は、ビジネスをより有利に進めるために不可欠な、重要なテーマのひとつになっていくでしょう。



◆多言語対応を自社で始める場合のポイント


— 多言語対応を自社で行う場合、重要となるポイントを教えてください。

ポイント1:一口に「英語」といっても、さまざまな英語があることを理解する。

テネール:
大前提として、どのような言語であっても会社の代表として信頼を預かる「窓口」であることを忘れてはいけません。ホスピタリティ精神を持ち、相手に失礼のない親切な対応を行うことが重要です。

英語の場合、イギリス英語とアメリカ英語があり、単語の言い回しが異なることがよくあります。また、例えばタガログ語が母国語であるフィリピンの方が、英語で問い合わせてくるケースもあるでしょう。一口に「英語」といっても相手の語学力や、なまり、問い合わせの状況などを察知して、語彙や話すスピードを適切に選んでご案内をすることが欠かせません。

このような柔軟な応対ができる人材を育成していくことは、難しいですがとても重要です。


ポイント2:日本語でもしっかりと応対できることが重要。

テネール:
コンタクトセンターの体制にもよりますが、外国語の応対を行うオペレーターは、外国語専門ではなく、日本語での応対も行うケースが多いのではないでしょうか。その場合、外国の方に外国語で適切な応対ができることはもちろん、日本の方に日本語で適切な応対をするスキルも習得していることが重要です。

例えば、ご高齢だと思われる相手には、ゆっくりと繰り返し確認をしながらご案内をしたり、時間的な余裕がなさそうなビジネスマンが相手の場合には、手短に回答をご案内したりというように、日本のコンタクトセンターでは、相手に不快感を与えない言葉づかいや話し方を適切に判断することが、当たり前になりつつあります。

このようなことを身につけ、日本語と外国語のどちらでもしっかりと応対できる人材であれば、コンタクトセンター全体のリソース管理も行いやすくなるのではと思います。


ポイント3:通訳としての活用も視野にいれる。

テネール:
コンタクトセンターの活用パターンとして、外国のお客様が来社した際に、お迎えをする従業員との間に入って、電話で通訳を行うというケースもあるでしょう。その場合は三者での同時通話や、ハンズフリーによる通話など、独特なコミュニケーションが展開されます。

日本語と外国語の通訳を行う場合のポイントのひとつに、日本語の特性として曖昧な回答が多く、通訳する際には「Yes」なのか「No」なのかをはっきり聞き出さないと相手に伝えられないことを理解する、ということがあります。日本語は「〜なんですよねぇ。」や「〜ですかねぇ。」など、曖昧な回答や笑ってごまかしてしまう場面が意外に多いほか、「つまらないものですが」というようなへりくだった表現も使われます。双方の文化的な背景を踏まえた中継役になることが求められます。

通訳ならではの押さえどころとして、一方が話した量と、翻訳して伝える量のバランスを取ることも重要です。前置きが長くても伝えたいメッセージはシンプルであるケースはよくありますが、かといって要点だけを訳すと、相手が話していることを理解できない状況では「え?あの人は随分たくさんのことを話していたけれど、訳してくれたのはたったそれだけ?」と不安にさせてしまうことがあります。例えば、ちょっとしたジョークなども「彼は今このようなことを言った」と和やかに橋渡しすることも、重要なホスピタリティだと思います。

また、三者が離れている状況での同時通話では、保留中の待ち時間が生じることもあります。相手を退屈させないように世間話をしたり、おすすめの観光スポットを紹介して「日本を楽しんでくださいね」と言葉を添えたり、そのような対応でお客様をおもてなしできることも、通訳として重要な資質でしょう。


ポイント4:多言語対応は人材の採用と育成がポイント。必要となる頻度、言語、求める品質を踏まえ、アウトソースも視野に。

テネール:
多言語対応は、単純にその言語を話せればできるというものではありません。ポイント1〜3で紹介したような複合的なスキルをあわせ持つ必要があるので、人材採用や人材育成が重要な鍵となります。

例えば、当社の採用試験では、電話番号や金額など実務で頻繁に取り扱う「数字」に関するテストや、難易度の高いヒアリングテストを行います。そして採用後は全ての研修を日本語で行い、教材も日本語のものを使用します。電話の応対マナー、ホスピタリティ精神、会話をする際のタイミングなど、採用後の研修は応対スキルのみとなります。

ネイティブの文化を十分に理解し、外国語が堪能なのは大前提です。それに加えて日本語での読み書きがしっかりできて初めて、研修のスタートラインに立てるのです。そのような人材をいかに採用し、いかに育成していくかがポイントです。


井上:
実際には、自社で幅広い言語に対応することは、なかなか難しいと思います。必要となる頻度、言語、求める品質を踏まえ、ターゲットを絞り込んで計画を立てることが重要です。当社も「多言語コミュニケーションサービス」というサービスを提供しておりますが、スポットでアウトソースすることも選択肢に含めるべきだと思います。



◆当社の多言語コミュニケーションサービス


— 当社の多言語コミュニケーションサービスについて教えてください。

1契約で5ヶ国語に対応。必要な時だけ気軽に頼める通訳・翻訳サービス。

井上:
必要な時だけ気軽に頼める通訳・翻訳サービスで、対応可能な言語は英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語です。1契約で全ての言語に対応しているので、外国のお客様との幅広いコミュニケーションを、スピーディーに実現できるのが特長です。


サービスの応対例

テネール:
当社はコンタクトセンターの構築や運営について、さまざまなお客様から「品質が高い」と、大変ありがたいご評価をいただいておりますが、多言語対応についても、これまで25年以上にわたるサービス提供実績があります。

当社では、人材採用、人材育成、運用について、さまざまなノウハウを蓄積してきました。日本でお困りの外国の方にご案内をする際には、そのようなことに向いている、「ホスピタリティ精神」、「語学力」、「応対スキル」の全てをあわせ持つスタッフが、お客様に代わって応対します。


利用時間に合わせて選べる、導入しやすい料金プラン。1契約で複数の拠点での利用が可能。

井上:
気軽にお求めいただけるよう、ご利用時間に合わせた料金プランを複数用意しております。通訳を要する機会は、業種業態によってさまざまですので、お客様に合ったムダのない料金プランをお選びいただければと思います。また、本社だけでなく、1契約で他の支店、営業所、センターなどでもご利用いただけます。ご利用いただく拠点数の制限やエリアの制約はありません。その他、専門知識が必要な通訳をお求めの場合などには、ご要望に応じてお客様専用のオペレーターを準備するなどの対応も承りますので、お気軽にご相談ください。




※組織名・所属部署など本ページの掲載内容は取材時(2014年02月)の情報です。
※本記事で公開されている「多言語コミュニケーションサービス」に関する情報は、本記事が公開された時点の内容を掲載しております。