VOC活用のポイントは、集まったたくさんのお客様の声から何を読み取るか、どう分析するかということ。しかし、「ログと分析システムはあるけれど、これをどう活用したらいいかわからない」とお困りの担当者の方も多いようです。

今回ご紹介するのは、B市のコールセンターの事例です。「市民満足の向上」という大きな課題に対して、コールセンターに寄せられる声を基に具体的な行動を導き出したプロセスは、VOCを活用する上での様々なヒントが詰まっています。

◆件数の多いお問い合わせの裏には課題がある


「いろいろな部署にお問い合わせの電話が来るのですが、対応するだけで完了してしまい、それらを分析することはしていませんでした」——コールセンター開設前の状況をこう振り返るのは、今回お話を伺ったB市担当者。コールセンターを設置してからは、当コールセンターが市全体の問い合わせ窓口として機能すると同時に応対履歴を残せるようになり、様々なお問い合わせ内容の記録が集まりました。

元々B市では、「市民の声を市政へ反映したい」という考えをお持ちでした。そこでそれを実現させるため、コールセンターの応対記録を徹底的に分析して「多くの市民が不満や疑問に感じていること」を見つけ出し、改善の余地があるかどうかを考え、具体的な解決策に落とし込んでいきました。

お問い合わせや不満の声一つひとつに応えるだけでは、本当の問題点がどこにあるのかはわかりません。声を集積するからこそ見えてくる課題があります。

このプロジェクトでは、年毎にその年の前半に取り組むべきテーマを選定、後半に詳細な分析を経て具体的な改善策を策定・提案していきます。2011年は、「ごみ収集に関する周知の改善」に取り組みました。

「ごみ収集」の提案は当初、B市担当者にとって意外なものでした。「ごみに関するお問い合わせは『布団は何ごみですか』といった単純なものが多いので、それがテーマになるとは思いませんでした」

分析を担当したNTTソルコ 第一営業本部 営業推進部 eCRM推進担当の浅海竜太郎は「単純なお問い合わせでも、これだけ件数があるということは、裏に何らかの問題があると考えました」と、その真意を明かします。 ごみ収集については、2011年春に問い合わせ先をコールセンターに変更したばかり。まさに、コールセンターに市民の声を集約したことで顕在化した新たな課題でした。

「提案を受けて、確かにこれだけ問い合わせが多いということは、告知方法がわかりにくいのかもしれないと気づかされました。私たちも改善しようという気持ちは常に持っていますが、どうしても従来の視点にとらわれてしまいます。第三者に違った角度から見てもらうことは大事だと思いました」(B市担当者)

VOC活用事例


◆数値と根拠が明確な提案にクライアントも納得!


声を分析し、課題を洗い出した後は「それをどう市政に反映していくか」という具体的な策を探します。今回は、ごみの分別方法に関する印刷物の変更を提案しました。

問い合わせ件数を基に、「可燃ごみか不燃ごみか」、「可燃ごみか資源物か」など、市民が迷いやすいパターンを整理し、視覚的にわかりやすい配置に。さらに、焼却ごみの削減を重要課題と掲げる市の方針も考慮し、従来は「可燃ごみ」が一番上に来ていた表示を、「資源物」を一番上に変える提案も加えました。

「従来の表示方法は、ずっとやってきたことで、変えるということを思いつきませんでした。『この方がわかりやすい』と提案されたことは、言われてみればもっともなことが多かったです。分析で、数値と根拠をしっかり示してもらったので非常に納得感がありました」(B市担当者)。この提案は、ごみ収集を受け持たれている部署にもご理解いただくことができ、早速、2012年度の印刷物に反映されました。

ご担当者によると、「分析結果と提案を踏まえ、紙面構成などを改善し、よりわかりやすくすることで、分別意識の向上や分別違反・ミスの減少につながると期待しています」とのことです。

「お客様の声は宝の山」とはよく言われますが、それらから傾向や課題を読み取り、アクションプランにまで落とし込んでいくにはノウハウが必要です。

今回は一見、単純に見えたごみに関するお問い合わせが、「宝の山」となりました。分析と提案を終えた浅海は「分析を前提に現場のオペレーターが適切な応対履歴を残していたこと。そしてごみ収集の担当部署も含めたB市と共同で取り組めたこと」——この2点を成功の要因として挙げます。

担当者からは「役所に寄せられる声のすべてを、自前で集計・分析することは難しい。今回、第三者の専門的な視点で分析してもらったことが業務改善につながりました」とのコメントも。NTTソルコのノウハウと、クライアントとのパートナーシップが生み出した成果と言えるでしょう。
クライアントのベストパートナーとして、NTTソルコは価値ある提案とその実現を常に追求していきます。



※組織名・所属部署など本ページの掲載内容は取材時(2012年3月)の情報です。