コールセンター最前線

  Vol.21:企業のソーシャルメディアを運用できる人材の育成 〜トレーニングが必要となる3つのポイント〜

企業と消費者の身近なコミュニケーションを実現するソーシャルメディア。
近年、ソーシャルメディアをブランディングやステークホルダーとの関係づくりに活用する企業が増えています。

特に、企業側から消費者に声をかける「アクティブコミュニケーション」は、困っている方へのサポートや、商品を利用されている方へのお礼のご挨拶などを通じて、消費者にとってその企業がより身近な存在となり、長期的な関係が良好なイメージと共に築かれる可能性を秘めています。

ソーシャルメディアを自社で運用するためには、柔軟な対応力を持った人材の育成が不可欠です。今回は、さまざまな企業のソーシャルメディア運営プロジェクトに携わる当社のメンバーに、「人材育成」のポイントを聞きました。

出席者:開発本部 ビジネス・インテグレーション部門 コンサルタント 塚本公司
    開発本部 ビジネス・インテグレーション部門 コミュニケーションデザイナー 河野悦子


実践とフィードバックを重ねる「訓練」が鍵


— ずばり、企業のソーシャルメディアを運用できる人材育成のポイントとは何なのでしょうか。

河野:
当たり前のことのようですが、とにかく訓練を重ねることが重要だと考えています。コールセンターの運営と同様に、ソーシャルメディアに発信する情報は「言葉」が主となりますので、必ずしも正解は一つではなく、状況をとらえて適切な言葉を選ぶ必要があります。知識や事例を教えるだけではなく、実践とフィードバックを重ね、さまざまな事案に適用可能な汎用性の高いスキルを身につける訓練が重要なのです。


Point1:読み取り


河野:
例えば、ツイッターであれば140文字という制限がありますが、ツイートされた内容だけでなく、アカウントのプロフィールやツイートをしている時間帯などから、その人のバックグラウンドを想像することができると思います。
企業や商品について、ツイートをしている方がおかれている状況、具体的なシーン、あるいは性格などのパーソナリティも含めて、しっかりと読み取ることが重要です。


塚本:
コールセンターにおけるオペレーション対応でも、たとえ会話の内容や案内すべき答えは同じであっても、相手のリテラシーや話すテンポなどを察知して、相手に合わせた気づかいをするかと思います。それと同様に、ツイートされた文字の情報だけでなく、その端々から相手の状態を察知するような「読み取り」の訓練が重要であると考えています。


Point2:見落としを防ぐ


塚本:
読み取りに関連して「見落としを防ぐ」という視点は重要になります。例えば、商品を購入して喜んでいるお客様のツイートを見つけ、お礼のツイートを差し上げたところ、実はすでに商品の使用を開始しており、不満のツイートも掲載していたということが後から判明したとします。これは見落としが原因で、不満に対するフォローをすべきところで、お礼のツイートをしてしまったことになります。
このようなミスマッチは、「うっかりしていた」だけでなく、事実を拾いあげる「視点」が欠けていることも考えられます。見落としを防ぐためには、やはり訓練による習慣化が重要だと感じております。

— なるほど、むずかしいですが起こりがちですね。他にも見落としの例はありますか?

河野:
例えば「この間◯◯を買いに行った時に◯◯の店員の対応が悪かった」というツイートを見つけたとした場合に、当然、店員の態度をお詫びするような対応をとると思います。
しかし、お客様は買い物の用事があってその店に来ていただいたわけですので、無事に買い物をすることができたかどうかを確認し、お詫びとともにご案内をするような対応が望ましいことなどをコミュニケーターには気付かせてあげるべきです。


Point3:解釈し適切な対応を行う


河野:
実際の対応を行う際には、ポイントをしぼり5つの要素を適切に配分することが重要だと考えています。
ツイッター上で声をかけるのであれば、まずは「アカウント名」が入ります。
その後「名のりと挨拶」を行った上で、お詫び、共感、感謝といった相手のツイートに対する「リアクション」が続きます。
リアクションによって相手のツイートをしっかりと受け止めた後に、補足やご案内などを行う「コミュニケーション」が続き、最後に「クロージング」の言葉を添えるのです。

読み取った情報をもとに、これらを適切に配分していく訓練を徹底的に行うことで、さまざまな事案に対応できるようになるかと思います。


トレーニングプログラムについて


— トレーニングプログラムについて教えてください。

塚本:
E-learning形式でのトレーニングを採用しており、これらは社外にもサービスとして提供しているのでどなたでも受講することができます。
プログラムの特長は、E-learningでありながらしっかりとした添削が受けられることです。集合型で行うメリットもあるとは思うのですが、時間的な制約から一人ひとりへのフィードバックを十分に行えないというデメリットがあります。当社のプログラムは、受講生が作成した文章を1本1本丁寧に添削することで、現場で通用する実力を身につけます。

河野:
100本ノックと銘打って、十分な量のトレーニングを実施します。ただ単に課題の量が多いのではなく、段階的に学べる実践的なカリキュラムとして用意されています。
受講生は添削を受けながら、自分の問題点やどのような見方をすればいいのかを学ぶことができます。それにより、汎用性のある、つまりさまざまな事案に適用できる、テキストコミュニケーション能力を身に付けた人材に成長することができます。

— 今後について教えてください。

河野:
ソーシャルメディアはまだまだこれからの分野となりますが、コールセンター運営に26年以上携わってきた当社の強みを活かし、人材育成の支援や運営の代行といった幅広い領域で、クライアントとお客様の最良なリレーションシップの創造に貢献していきたいと思っています。


塚本:
運営代行につきましては、ノウハウや体制面で限界を感じられているクライアント企業様からご相談いただくことが多く、ソーシャルメディア上に発せられたユーザーの声の収集・分析から始まり、分析に基づくシミュレーション、戦略策定、運用ガイドラインの作成や運営後のフィードバックまでを、ワンストップで請け負っております。お困りごとがあれば是非ご相談いただければと思います。



※組織名・所属部署など本ページの掲載内容は取材時(2013年05月)の情報です。